「下書きで使った物が残っている」―小保方氏、博士論文巡る疑惑で

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  • ALEXANDER MARTIN

[image] Reuters

小保方晴子氏

 【東京】多くの疑問点が指摘されている幹細胞に関する2つの論文の筆頭執筆者、小保方晴子氏(30)が数週間に及ぶマスコミへの沈黙を破って14日、疑惑の一部について説明した。

 小保方氏は14日朝にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)宛てに電子メールを送り、2011年に博士号を取るため早稲田大学に提出した博士論文の無断引用疑惑について回答した。

 問題の博士論文は、幹細胞の研究成果をめぐる疑惑を追跡している匿名のブロガーがネットに掲載したもので、その一部が米国立衛生研究所(NIH)のサイトの文章と酷似している。

 小保方氏は電子メールで「現在、マスコミに流れている博士論文は審査に合格したものではなく下書き段階の物が製本され残ってしまっている」と説明。

 さらに、下書き段階で参考のために転載した文章や図表が引用も訂正もなく、そのまま残っていると述べた。大学側には、小保方氏が下書きだとしているこの論文の撤回を要請したという。

 早稲田大学の広報担当者は、そのような要請は認識しておらず、別版の博士論文についても知らないと述べた。また、大学による博士論文について指摘された疑問点に関する調査は継続中だと話した。

 幹細胞の革新的な作製方法を約束するとされる小保方氏の研究成果については、同氏が勤務する理化学研究所が疑惑をめぐる調査の中間報告を準備しており、14日午後に理研による記者会見が行われる予定。

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