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トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > GS Fateっぽい何か > 第二十話
ちょこっと書きましたw
協会から抗議の書面が、セカンドオーナー様の所に来たそうな。
まぁ、稟ちゃんの事やな。
どんな抗議かと言えば、単純に言うと・・・
「おまえのところの鉄砲玉をどうにかしろ」
というもの。
もちろん、鉄砲玉の名前は「雪之丞(バトルモンガー)」。
確かに俺の身内だけど、冬木の魔術師というわけではない。
どっちかというと、秘匿の必要のない呪い師程度と把握している、と書簡で送ったところ、向こうから珍しく電子メールが来たそうだ。
曰く、「無関係の者ならば、封印指定を実行する」というもの。
東京で別れて二週間。
どんだけ大事を起こしてやがる、と稟ちゃんが発狂寸前でほえたけど、俺とシロちゃんは予想の範囲だったと苦笑いだった。
なにしろ、あの男には魔術も幻術も戦術も戦略も計略も効かないし、諜略も無駄。
この世界に累計は居ないし、関係者も強者。
政治的な介入は恐れなくていいし、純粋に戦力で見れば正規に世界から召還される武闘派の英霊に匹敵する。
そんな存在を、どんなレベルであろうと正規の魔術師にどうこう出来るはずもなく、雪之丞にとっての経験値になっているのだろう。
本気でそろそろ世界からの介入があるんじゃ無かろうかという勢いだ。
「つうか、ガイアはまぁ無いとしても、アラヤの干渉はあるだろ、実際」
「忠夫、あれは自然災害扱いみたいよ」
「なんつう恣意の篭った災害や」
実際、守護者が何体か現れたらしいのだが、割と順調に撃破しているらしい。
「感覚なんだけど、・・・アーチャー、召還されたらしいわ」
「うわぁ・・・、不幸」
シロちゃんが思いっきり顔を覆って気の毒そうな顔をしている。
未来の英雄よ、シロちゃんの可能性の一つよ。
お前にはデッカイ弱点がある限り、絶対に勝てんぞ、うん。
つうか英霊並みの強さで、弱点を伝承に縛られないって時点で同格。
しかしながら反英雄としての立場と、そのバックボーンの薄さ、そしてとことんまで低い抗魔力と幸の薄さを考えると、タイガーを相手にしているつもりに成ってしまうと雪乃丞メールの話。
何処までも何処までも戦略性の高い英霊で、戦略面で雪乃丞に勝てる可能性が少なくとも存在する守護者なんだろうけど、相性が悪すぎる。
せめて、うちの恋がランサーとして呼び出されて十全な魔力が無限に供給されていれば話は別だろうが。
同じ意味合いで、メドーサのライダーでも可能。
というか、あの神魔を聖杯戦争のシステムで呼び込めること自体が反則なのだ。
彼女の持つ権能は、すでに魔法の域なので。
そんな悲しい話を居間でしていたところ、ふんわり笑顔のお姉さん、魔鈴さんがやってきた。
「こんにちわ~、ちょっとお届け物です」
現れたのは、なぜか子供。
「よっ、呪われちまったぜ」
鋭い目つきのその子供の名こそ、伊達雪乃丞。
封印指定を現在進行形で受けているバトルモンガーである。
「おめー、何やってんだ? 対抗魔術、つかえんだろ?」
「あー、無辜っぽい一般人を生贄にした呪いでなぁ、解呪すると生贄にされた一族が丸々死ぬように組まれててよ、さすがに後味悪いんで、手を借りに来た」
「「「「「うっわー」」」」」
もう形振り構っていられないらしい、協会。
「で、魔鈴さん、マジですか?」
「はい、忠夫さん。そのように呪いが組まれてます」
俺も文殊で「解・析」してみたんだけど、言われたとおりの呪いが組み込まれている。
いるんだけど、何かおかしい。
なんつうか、こう、プログラムの記述は正しいんだけど、コンパイルに問題があるというか何と言うか。
実動作している呪いの解析なので間違いはないんだろうけど、何か引っかかる。
「ん~、なんかいやらしいな、これ」
「兄貴、これ、変だぞ」
こと、解析にかけては俺の上を行くシロちゃんは、もう一歩深く見えたようだ。
「確かに、無辜の存在が生贄にされてるけど、解呪しても行き先が無い」
「んあ?」
更に解析して気づく。
無辜、というか、生贄にしたのはホムンクルスじゃね?
で、解呪するが、本来行き先とされている一族郎党が存在しないので、呪いに汚染されるんだろうなぁ、この辺。
つまりあれか、俺らに頼らせて俺ら共々、とそういうことか。
「・・・面白いわね、何処の阿呆かしら?」
我らがチャンピオンは、にこやかな微笑みで指を鳴らしている。
「あー、たしかイタリアの魔術師だったと思うぞ」
冷や汗をかきながらの雪乃丞の首根っこを掴むチャンピオンにして諸葛稟。
「ふーっふっふっふ、みんなでイタリア旅行決定ね。そこで解呪するから。いいかしら?伊達君」
激しく頷く雪乃丞は、この世界の強者、美神さん的存在を感じただろう。
俺も感じた。
最少人数、と思っていたんだけど、再び大家族旅行になった上、某イタリア魔術家が回収不能な呪術汚染に塗れたという事実をもって、「冬木アンタッチャブル」という妙なカテゴリーが生まれたのだが、余り気にする必要は無いだろう。
基本、魔術師たちは雑事にとらわれないものだから。
そうそう、呪術汚染された某魔術家の知識回収に来た時計塔の実戦部隊だったが、現地到着の時点で不可能と判断し、尻尾を巻いて帰って行ったそうだ。
後からこの話を聞いた葛木の若奥様は、「そんな面白そうな呪い、何で見せないのよ」とご立腹だったので、述構成やら何やらを脳みその記憶から見せなくちゃ成らなくなったのだが、まぁ、これは余談だ。
あと、魔法料理の存在を知った若奥様が、魔鈴さんに土下座弟子入りをしたのも、まぁ、余談中の余談。
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