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第十八話(OTR版)

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 魔術とは関係なく、お払いとか陰陽道とかそういうものを「見せ物」にする商売に対しては時計塔も動かないそうだ。


 まぁ、占いなんて言う分野はカウンセリングの範囲だし、お払いなんかもおなじ。
 というわけで、魔鈴さんはそんな隙間を埋めるようなものを始めた。


【占いグリル 魔鈴】


 食事と占い、厄払いなんかもセットで受けてくれるというコア向けの店だったんだけど、ちょっと力を入れすぎた。
 風水・陰陽・カラバにウイッチクラフト。


 あらゆる方面で成功を裏付ける「偶然」を投入したもんだから、恐ろしいことになった。


 いや、人をだましたとか呪力で金儲けとかじゃなくてだ。


 その系統に詳しい「自称」専門家が雲霞のように集まってきたり、占い系のサークル学生が週末ごとに集まってきたり。
 魔鈴さんの手慰みで作っている「本物」のアミュレットなんか、一人一個限定という縛りがあるのにネットオークションに出展されるぐらいだ。


 今じゃ、俺が代わりに大量生産してるけど。


 アホみたいな値段で買ってくバカが多すぎる。
 加えて、タマモや愛子、そしてミイさんが店のウエイトレスに立つものだから、女性向けといっても過言でもない店内に突撃してくる男が絶えなかったりする。
 そんなわけで、週2ほど、シロちゃんと交代で男要員のウエイターをしてるんだけど、俺やシロちゃんが店に立つと恋やアルトリアがウエイトレスに立つので、恐ろしいほどの集客を見せ、ほぼパニック・満席終日となってしまう。
 ほんきで、こっちに専従したろか、と苦笑いの俺だった。


「アニキー」


 シロちゃんが俺のことを「アニキ」と呼ぶ影響で、なぜか店内でも客からそんな風に呼ばれている。


 何の嫌がらせや?


「もう、なんでお姉ちゃんに相談しないのかな!?」

 

 開店直後に比べれば客足も整ってきた時期に、新たなテコ入れ、イリヤ姉の登場だった。
 わりとみんな店にでている影響で、実家が寂しいと感じていたイリヤ姉は、手伝うことを決意した模様。


「べ、べ、べつに、寂しいから来た訳じゃないんだからね!?」


 この台詞の影響か、戦闘的狂乱イリヤ主義者という名の固定客が出来、非公認ファンクラブが出来たとかなんだとか。

 そんな【占いグリル 魔鈴】、占いの比重も低くなく、海千山千の「タマモ占い」やら、遙か昔の青春を思わせる「愛子占い」が結構人気だったりする。

 ああ、もちろん、料理もうまい。
 流石に浄化料理は出していないけど、労働報酬は食事、とうちの暴食姫二人が要求するほどなのだからレベルが高いことがしれる話だ。

 

 

「というわけで、ただやん。案内した上で、身内への贔屓という事で、予約を入れさせてくれ」


 目鐘、こと氷室鐘。

 何でも市内で有名になりつつある【占いグリル 魔鈴】が気になっているが、流石に女子高生だけでの洋食店食事には抵抗があるらしく、両親を巻き込んで夕食会をしたいから、という理由をでっち上げたらしい。


「あー、一応聞いてみるが、あそこ、結構予約一杯だぞ?」
「そこを、なんとか」
「でも、行政的な割り込みは使いたくねぇ、と」
「私の一方的なわがままだからな」


 んー、と首を捻ったところで、不意にひらめいた。
 ・・・そう言うことか、と。


「で、内容は?」
「・・・ん、そうだな、一応コースで、一人五千円ぐらいと言うのは出来るか?」


 なるほど、やはり、だ。
 だったら、こっちも協力してやろう。


「了解。どうせお忙しいご夫婦だ、日指定なんだろ?」
「飲み込みが早くて助かるよ、ただやん」
「なになに、氷室には世話になってるからな」


 ま、あの黒豹の世話だけでも全校単位で世話になっているようなものだ。
 同じく、うちのシロちゃんはタイガーテイマーとして有名で、全校の感謝が集まっている。
 この力が集まれば、根元に至れるんじゃ無かろうか、そんな勢いで。

 

 

 

 

 

 

 ただやん、衛宮忠夫は、異性でありながら親友と呼べる関係だ。
 彼の弟とは「友人」程度だが、彼とは「親友」だと言い切れる。
 彼は実に得難い空気を持っている上で、気遣いの男だ。
 あれほどの気遣いが出来るからこそ、あの遠坂嬢も気を許しているのだろう。
 あの二人が並び立つと、まるで氷の森の中にいるような遠坂嬢が、ゆったりとした温泉の中にでも使っているかのような笑顔を見せる。
 あの空気は私も好きで、そのために彼に絡んでいるようなものだ。


「かねちゃん、それって・・・」


 ゆきかの誤解を解いておくが、「恋」ではないぞ?


「・・・えぇ?」


 なんだね、その「ないわぁ」という表情は。君には似合わんな、うん。

 まぁ、それはさておき、あの気配り超人にはあの予約の意味が知られていた。


「え、ほんと? さすが忠夫君だね」


 まさに流石、でね。
 ・・・良い恥かかされたよ。


「どういうこと?」


 まぁ、あの場が両親の結婚記念日の祝いであることは、席を見た瞬間解ったのだがね。
 食前酒を、というところで私が厨房に引っ張り込まれて、着替えさせられて、ウエートレスの格好で酌をさせられたのだよ。


「・・・・うっわぁ・・・・見てみたい!」


 期間限定で店内展示しているそうだから、今度見に行くと良い。


「よくかねちゃん許可したね?」


 ・・・安く済ませる交換条件だそうだ。


「契約は、契約書を見ながらサインしないとね?」


 まったくだ。

 

 

 


 後日、某黒豹が爆笑し過ぎて呼吸困難になって救急車で運ばれたそうだが、その写真は校内新聞に掲載されているので、暇な御仁は見ることを勧めるよ。

 ゆきか、GJ

 

文字数は2,176文字