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レスリング女子五輪3連覇中の吉田沙保里(31)=ALSOK=の父で、11日に急死した栄勝さん(享年61歳)の通夜が13日、三重・津市内の斎場でしめやかに営まれた。通夜前、報道陣に対応した吉田は、決断に揺れていた女子W杯団体戦(15~16日、東京・板橋区小豆沢体育館)への出欠について、悲しみの涙を流しながら父の遺志に従い出場すると明言した。14日の告別式後に荼毘(だび)に付されるのを見届けることなく、同日の計量に参加するため都内に移動。親子で磨いた「攻めの高速タックル」で日本を優勝に導くと誓いを立てた。
泣きはらし、やつれた表情の吉田の瞳から涙がとめどなく流れた。おえつを漏らしながら、懸命に口を開いた。「お父さんはレスリング一本で、レスリング優先にしてきた人なので、このW杯は出場します。お父さんはナショナルコーチだったし、いっしょに戦ってくれると思うし…」。話し切ることができず、途中で声を出して泣いた。
父の急死から3日目。心の整理ができない中で試合を選ぶという苦渋の決断を下したのは、生前の父の言葉だった。実家で父の亡きがらに寄り添った2日間。「ずっと(栄勝さんと)話をした」と吉田。「お父さんは、レスリングのことしか頭になかったので『絶対、出ろ』って。私が中学校3年の時に(左)手首を骨折してボルトが入ってる状態でも『出ろっ!』て言うぐらいの人だった」
実家を弔問に訪れた父の教え子たちの涙、そして家族も背中を押した。「いろんなことを考えたらレスリングやってる時が一番喜ぶ。兄(栄利さん)も『俺が応援に行くから、おまえは頑張れ』と」
14日は告別式後、メディカルチェック、計量に参加するため都内に鉄道などで移動する。日本レスリング協会の要請を受け国際連盟は13日、事情を考慮し午後7時までにメディカルチェックの締め切り時間を遅らせる特例措置を決めた。
厳しさと優しさにあふれた父。「ここまで私を育ててくれてありがとう、と言いたい」。涙を流して別れの言葉をささげた。祭壇の笑顔の父は、12年ロンドン五輪で3連覇した時に肩車した時の写真だった。棺(ひつぎ)の上には3個の五輪金メダル。試合では、親子で磨いた「攻めの高速タックル」で日本を優勝に導くと約束した。「お父さんに教えてもらったことすべてを出したい。攻めのレスリングをやりつくしたい」。親子二人三脚で歩んできたレスリングを天国の父に届ける。
(2014年3月14日06時05分 スポーツ報知)
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