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11兆円かけても取り戻すことの出来ない福島の人々の生活

最新の情報(県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について)によると、福島県で甲状腺癌を持つことが見つかった子供の数は75人。受信者総数は27万人なので、10万人あたり27人というチェルノブイリの5年後の数字よりも高い数字だが、国はあくまで因果関係は認めないようだ。

低線量被曝による影響は、晩発性(数年後から数十年後の癌の発症)であるため、少なくとも事故後十数年間の数字を分析しない限りは因果関係を定量的に証明することは難しい。そのため、この件に関して、今の段階で国を訴えても勝ち目はない。唯一できることは、内部被曝の実態を明らかにする上で重要な証拠になる乳歯を、(自分の子供が甲状腺異常を発症していない場合でも)将来の訴訟のために保存しておくことぐらいだ(参照)。

現時点で注目すべきことは、すでに除染や廃炉の費用も含めて11兆円ものお金が投入されているにも関わらず、13万人の人達が長期に渡る過酷な避難生活を強いられている上に、東電からの補償は全く不十分で、元通りの生活や仕事を取り戻すことは不可能という、誰も目を背けることの出来ない事実だ。

つまり、原発事故とは、たとえ「ただちに健康に被害をもたらさないもの」であったとしても、近隣住民から生活や仕事や土地を奪い、たとえ10兆円を越す税金や将来の電気料金を費やしたとしても、それを取り返すことは決して出来ない過酷なものなのである。

オリンピックでスポーツ選手によるドーピングが禁止されているのは、不公平だからではなく、副作用の危険があるからである。ドーピングを許してしまうと、メダル争いのための副作用覚悟のドーピングの服用が増え、それが不健全で、人道的ではないから禁止されているのである。

原発は経済にとって、まさにドーピングであり麻薬である。自民党や経団連は、「原発なしでは日本の経済は成り立たない」と言い続けているが、これは日本経済が既に「原発」という麻薬の中毒患者になってしまっており、この麻薬がもたらす甘い蜜がなければ生きていけない企業や特殊法人や地方自治体が沢山あるからだ。

結局のところ、国民がこれだけ望みながらも、自民党が脱原発に舵を切れない根本の原因がここにある。

原発やめますか?それとも人間やめますか? 

(上の画像は、getty images のイメージを規約に基づいて引用しています。このブログの記事を引用する場合、このままの形であれば、画像もそのまま掲載することが許されています)。

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Comments

Pc4beginner

参考情報として、以下URLもどうぞ。

http://fukushima-mimamori.jp/urgent-info/2014/03/000125.html

この記述以降の文章も読んでいただければと思います。

>現時点における、甲状腺がんの症例は福島第一原発事故の影響によるものとは考えにくいとの見解に疑義が示されました。

外野ではなく、中島さんの言う「被爆者」と向き合っている現場からの声と判断できると思いますが、いかがでしょうか。
データの読み解き方に異なる視点があるのであれば、その点も教えていただければと思います。

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