小保方さんら論文取り下げへ03月14日 11時56分
「STAP細胞」をめぐる問題で理化学研究所の調査委員会が、細胞の万能性を示した重要な写真が別の論文から流用された疑いなど4つの疑問点について、不正かどうか判断するには、さらなる調査が必要だとする、中間報告をまとめたことがわかりました。
また小保方さんなど理化学研究所の共同著者は、論文を取り下げる意向を発表することにしています。
神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが、科学雑誌「ネイチャー」に発表したSTAP細胞の論文については、画像やデータに不自然な点が相次いで指摘され、調査が進められています。
NHKが入手した中間報告書によりますと、調査は6つの疑問点について行われ、このうちSTAP細胞が光る写真が加工されたかのように不自然に見える点や、別の実験結果として示された2枚の胎盤の写真が、実際には同じものだった点については「悪意」があったとは認定できないなどとして、いずれも不正とは認められないとしています。
その一方、研究の核心部分のひとつでSTAP細胞が体の細胞から出来たことを示すための実験結果の画像については、画像の一部が切り貼りされた上、縦の長さを変えるなどの操作が行われたことがわかったなどとしています。
またSTAP細胞の万能性を示す証拠の1つとなる3枚の写真についても、小保方さんの博士論文の画像が流用されたものと判断せざるを得ないとした上で、小保方さんと研究チームの中心メンバーで理化学研究所の笹井芳樹副センター長からは、博士論文の画像だとの申告はなかったことが記されています。
さらに研究の手法を示した文章を別の論文から盗用した疑いについては、小保方さんが何らかの方法で文章をコピーしたと認められるなどとし、いずれの点についても不正が行われたかどうかを判断するには、さらに調査が必要だとしています。
理化学研究所は14日午後2時から会見を開き、これらの調査結果について公表し、小保方さんなど理化学研究所の共同著者が論文を取り下げる方向で、ほかの共著者と協議していくとするコメントを発表することになっています。