架空取引:9億円疑い…商社社員100人以上関与 東京
毎日新聞 2014年03月14日 07時01分
空調機器など各種設備の専門商社「東テク」(東京都中央区、ジャスダック上場)の社員が、7年以上にわたり水増し仕入れ発注や架空の販売手数料の支払いなどの不正取引を繰り返した疑いがあることが分かった。不正取引への関与が疑われる社員は計111人、下請け業者などの外部協力者は約50人に上り、総額は9億円超とみられるという。
同社によると、今年2月上旬に東京国税局から「社員の一部が不適切な外注費の処理をしている可能性がある」と指摘を受け、社内調査をしたところ、水増し発注などの不正取引が判明。同月17日に外部の専門家を含む調査委員会を組織して詳しく調べていた。
調査報告書によると、不正取引への関与が疑われるのは主に営業部門の社員で、会社が設定した接待交際費の予算枠を超えた支出を賄うために始まったとみられる。水増し・架空仕入れ発注(8億2600万円)▽取引事実のない販売手数料などの支払い(3600万円)▽ルームエアコンの無断転売や自己使用(3500万円)−−などが確認された。
これらの不正取引で下請け業者などから営業担当社員に還流した金額は約8億400万円に達し、交際費だけではなく、社員同士の飲食にも充てていたと推測されるという。下請け業者にはOB経営の会社もあった。
東テクは「関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしますことを深くおわびします」としている。【太田誠一】