「アンネの日記」や関連書籍が東京都内の図書館などで相次いで破られた事件に絡み、東京都豊島区の書店への建造物侵入容疑で警視庁に逮捕された無職の30代の男と似た人物が、東京都杉並区の図書館の防犯カメラに映っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。アンネ関連の書籍が並ぶ場所で本を手に取る様子だったという。

 杉並区では、自治体としては最多の120冊以上の被害が判明している。男は調べに対し、図書館の本の破損を認める供述を始めている。一方で意味不明な言動も多く、同庁は映像を解析して裏付けを進めるとともに、刑事責任能力の有無を慎重に調べる。

 捜査関係者によると、逮捕の男とよく似た人物が映っていたのは、杉並区立中央図書館にある防犯カメラの2月3~5日の映像。アンネの関連書籍などが並ぶコーナーに、男と身体の特徴などが似た人物が近づき、本を手にする様子が映っていた。書籍名は不明で、破る場面も確認できないという。

 この図書館では、2月3日昼の点検で「アンネの日記」の無傷を確認したが、休館日だった同6日の再調査で、関連書籍を含む計20冊の被害が見つかった。