坂本龍一×東京新聞
音楽家の坂本龍一さんと紙面を作りました
【国際】「影の銀行」中国債務不履行を容認 李首相 未然防止姿勢を転換【北京=新貝憲弘】中国の李克強首相は十三日午前、全国人民代表大会(全人代=国会)閉幕後に北京で記者会見し、実態が不透明な金融取引「シャドーバンキング(影の銀行)」をめぐる金融商品のデフォルト(債務不履行)について「個別に起きる状況は避けられない」と発言した。デフォルトの発生を防いできた従来の姿勢を転換したことを認めた形だ。 その上で李首相は「(金融商品に対する)監視を強め、即時に対応することで地域的、構造的な金融リスクは起こさせない」と述べ、中国発の金融危機を未然に防ぐ姿勢を強調した。 中国ではこれまで、業績が悪化した企業に対し地方政府や大手銀行などが救済に動いてデフォルトを防いできた。しかし、今月七日には、太陽光発電関連メーカーの社債で利息を払えなくなる中国初のデフォルトが発生。中国政府が金融商品のデフォルトを容認する姿勢に転じたのではないかと注目されていた。 中国の影の銀行は総額三十兆元(約五百兆円)規模に達したとの推測があり、このうち三分の一が「社会システムに悪影響を及ぼす恐れ」(中国紙)があると指摘されている。 李首相はまた、沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題や南シナ海の領有権問題を念頭に「国家主権と領土保全を守り抜く意志は揺るがない」とも述べ、従来の姿勢をあらためて強調した。 <シャドーバンキング(影の銀行)> 通常の銀行融資とは別のルートで資金をやりとりする取引や、それを行う金融業者のこと。中国ではここ数年、銀行に対する規制が強化された結果、信用度の低い不動産企業や地方政府系投資会社に資金を提供する手段として急拡大した。資金は、個人投資家などから主に「理財商品」と呼ばれる高利回りの財テク商品で集めているが、元本割れなどのリスクが高く、金融市場の不安定要因と指摘されている。 PR情報
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