STAP細胞:理研、論文撤回要請へ…14日、中間報告

毎日新聞 2014年03月14日 01時11分(最終更新 03月14日 03時11分)

STAP細胞論文で不自然と指摘された主な点
STAP細胞論文で不自然と指摘された主な点

 新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞」(刺激惹起<じゃっき>性多能性獲得細胞)の作製成功を発表した英科学誌ネイチャーの論文に数多くの疑問点が指摘されている問題で、理化学研究所は13日、日米の研究チームに対し、論文の撤回を求める方針を固めた。14日に理研が記者会見し、調査委員会とともに中間報告について説明する。【斎藤有香、八田浩輔】

 14日の会見では、これまでにインターネットなどで指摘された不自然な画像や実験データなどの疑問点について、2月中旬から進めてきた調査の進捗(しんちょく)状況が説明される。

 調査委がこれらの疑問点について、データなどの改ざん・捏造(ねつぞう)・盗用といった研究不正にあたると判断するか、単純ミスとみなすかが最大の焦点。複数の関係者によると、調査委は中間報告では不正の有無について判断は示さないものの、理研側は論文の信用性に問題があるため、撤回して改めて検証することが必要と判断したとみられる。

 STAP細胞に関する論文は「生物学の常識を覆す」と世界を驚かせたが、撤回されれば、研究成果は「いったん白紙」となる。不正による撤回論文は、世界共通の学術データベースに「撤回した」という注釈と共に残り、科学者としての業績や所属機関の信頼性にも大きな傷がつくことになる。「単純ミス」なら修正で終わることが多く、修正であれば論文の成果は残る。

 一方、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の竹市雅俊センター長は13日、毎日新聞の取材に「論文の体をなしていなければ、取り下げざるを得ない」と語っていた。同センターには、研究チーム14人の著者のうち、小保方晴子・研究ユニットリーダーら9人が所属する。

 STAP細胞に関しては、1月末の英科学誌ネイチャーに論文2本が掲載された。生後間もないマウスのリンパ球を弱酸性の溶液に浸して刺激を与えると、あらゆる組織や細胞になる能力を持つSTAP細胞ができたという内容。

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