- [PR]
事件
【アンネの日記被害】「ずっと気にかかっていた」 捜査の行方注視する関係者ら
2014.3.13 20:58
アンネの日記をめぐる器物損壊事件は、被害にあった書店に不法侵入した30代の無職男が関与した疑いが強まっている。被害にあった図書館や、書籍を寄贈した団体なども今後の捜査の行方を注視している。
一連の事件は2月下旬、東京都内5区3市の図書館や書店で被害が相次いでいることが表面化。その後、オランダの「アンネ・フランク・ハウス財団」が約3400冊の図録を寄贈したほか、匿名で関連本が届けられるなど図書館への支援の輪が広がっていた。
関連本300冊を寄贈した在日イスラエル大使館は13日、「日本の司法当局が破損事件の捜査を完了し、法の下に裁かれることに全幅の信頼を置いている」とする談話を出した。
ユダヤ人の大量虐殺の歴史を伝える「ホロコースト記念館」(広島県福山市)の大塚信館長(65)は「事件が起きた痛みは消えないが、アンネの教えはまた必ず世界と日本をつないでくれるはずだ」と期待を込める。
大塚館長のもとには12日夜、アンネ・フランクの親族から「事件はどうなっていますか」とメールが届いたばかり。他にも南アフリカや米ニューヨーク、ドイツなどの関係者から事件の影響を懸念する声が寄せられているという。
被害に遭った「アンネ・フランクの生涯」などを翻訳した深町真理子さん(82)は「事件はずっと気にかかっていた。誰からも愛されているアンネをねたましく思ったのかもしれない」と推測する。
最多の計121冊が被害にあった杉並区の南荻窪図書館では、被害を免れた関連本をカウンター前に並べるなどの対応を取り続けている。古谷哲館長は「ようやく本来の静かな図書館に戻れるかもしれない」と安堵感を示した。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]