アンネ本破損:図書館カメラに似た男

毎日新聞 2014年03月13日 23時42分(最終更新 03月13日 23時47分)

 東京都内の公立図書館などで「アンネの日記」や関連書籍が相次いで破られた事件で、書店への建造物侵入容疑で逮捕された都内在住の無職の男(36)と似た人物が、被害に遭った図書館の防犯カメラに映っていたことが捜査関係者への取材で分かった。男は「(アンネ関連の)本を破った」と一連の事件についての関与を認める供述をしているが、あいまいな点もあることから、警視庁捜査1課は刑事責任能力の有無も含め、慎重に調べを進める。

 捜査関係者によると、一部の図書館の防犯カメラの映像で、男に似た人物が破られた本が置かれていた書棚から本を手に取る姿が確認された。

 被害に遭った図書館には破り取られた部分が残されていなかったことから、同課は犯人が持ち去ったとみているが、男の自宅からは破られた本の一部は発見されていない。図書館に残されていた破られた本からも男の指紋は見つかっていないという。

 男は2月19日と22日の午後2時ごろ、豊島区南池袋2の「ジュンク堂書店池袋本店」にビラを張る目的で立ち入った容疑で、今月7日逮捕された。同課は店内の防犯カメラで、男が手袋をして書棚にビラを張ったり、うろつく様子を確認。ビラには「アシスタントとゴーストライターは違います」などと意味不明の文言が手書きされていた。同書店では2月21日、3階の売り場で「アンネの日記」2冊が破られているのを店員が発見し、1月にも関連本数冊が破られていた。【松本惇、山崎征克、神保圭作】

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