諸星大二郎が芸術選奨を受賞、成果は「瓜子姫の夜~」
2014年3月13日 22:32 278
本日3月13日に文化庁より2013年度芸術選奨の受賞者が発表され、諸星大二郎がメディア芸術部門において文部科学大臣賞に選出された。
授賞の対象となった成果は、昨年12月6日に朝日新聞出版より刊行された「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」。諸星がグリム童話や日中の民話・童話に独自のアレンジを加え、マンガ化した作品集だ。
芸術選奨は毎年度、芸術の各分野において優れた業績を挙げた人に贈られるもの。演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11部門にて実施され、受賞者には賞状と賞金が贈られる。贈呈式は、3月19日16時より都内にて実施。
諸星大二郎への贈賞理由
諸星大二郎氏の「瓜子姫の夜・シンデレラの朝」は、グリム童話、日本民話、「聊斎志異(りょうさいしい)」(中国清代の怪異小説集)からの話をベースに独自にアレンジされた物語を描き出している。怪奇的ではありながらも心温まる一面もあり完成度が極めて高い。これまでの多くの作品で描かれてきた伝奇的、民俗学的内容を基にした人間の心の暗黒面への関心は抑えられ、よりポジティブに心がくつろげるような一面を示し、一つの到達点を示すものとして高く評価できる。