3月13日、ニコンが
Nikon 1シリーズ用の交換レンズ「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」を発表しました。4月発売で、希望小売価格は税別12万9000円です。
特徴はなんといっても、焦点距離に対する本体の小ささ。35mm判換算で189-810mm相当という超望遠ズームになりますが、大きさは縮めた状態で、最大径約73mm×長さ108mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)。重量は約550gです。
ニコンでは、
「35mm判換算で600mmを超えるAF機能付きデジタルスチルカメラ用交換レンズにおいて世界最小・最軽量」とアピールしています。しかしこういった数値よりも、公式サイトにある他社製品(35mm判換算で600mm相当)と、同社の35mmフルサイズ用の800mmレンズとの大きさ比較図をご覧いただく方が、このレンズのインパクトは伝わるでしょう。
高級レンズらしく光学特性にも配慮されており、ニコン独自の反射防止コーティング「ナノクリスタルコート」を採用。もちろん同コート採用の(高級レンズの)証であるNマークも付いています。また、Nikon 1用レンズでは初となるスーパーEDレンズを使用し、望遠ズームで問題が発生しやすい色収差の低減も狙っています。
内蔵される手ブレ補正機能も、望遠端で4段分、広角端で4.5段分と非常に強力です。さらにモーター音なども抑えられており、Nikon 1側の電子シャッターとの組み合わせで、「限りなく無音に近い撮影が可能」とアピールしています(上の写真は同日発表の
Nikon 1 V3と組み合わせた状態です)。
さらにAF駆動範囲を遠距離側のみに固定するフォーカスリミットスイッチやマニュアルフォーカスリングも搭載。超望遠レンズでは重要な、フォーカスを合わせる時間の短縮が図れます。また、別売で5,000円(税別)の三脚座「TR-N100」を用意。三脚固定時に重要となる本体との重量バランスを保てます。
さて、冒頭で紹介したような劇的な小型化がなぜ図れたのか、疑問な読者もいるでしょう。これは、Nikon 1で使われるイメージセンサーの小ささのメリットです。実はイメージセンサーは小さければ小さいほど、35mm判換算で同じ焦点距離のレンズでも小さく作れるのです。
コンパクトデジカメが30倍や50倍といった高倍率ズームを搭載できるのはこうしたメリットがあるため。Nikon 1のセンサーサイズは1インチと、ミラーレス一眼の中でも小さめですが、このレンズはまさにその小ささをメリットとして活かした製品なのです。
ニコン派の間では「ニコンがセンサーを小さくしたからには、コンパクトな超望遠レンズは絶対に出してくる」と言われていましたが、今回はそうした点で、Nikon 1ユーザーのみならず、ニコンファンにとって待望のレンズであったわけです。
また合わせて、同日発表のNikon 1 V3のキットレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM」も単体発売を発表。発売は4月で、希望小売価格は3万7000円(税別)。色はブラックとホワイトの2色です。
こちらは35mm判換算で27-81mm相当のいわゆる標準ズームで、4段分の補正効果がある手ブレ補正機構を内蔵。電動ズーム機能、そして電動レンズバリアを搭載し、最大径は約58mm×長さ28mm、重量は約85gと、非常に小型かつ軽量。
ニコンは電動ズーム機能と電動レンズバリアの両方を搭載した交換レンズは世界初とアピール。合わせて、電動ズームを搭載した交換レンズで世界最小・最軽量であるとも主張しています。