JR貨物は3月12日、東北本線田端信号場~王子駅付近~北王子間(東京都北区)4.0kmの貨物支線(北王子支線)について、3月14日限りで貨物列車の運行を終了すると発表した。

同社によると、北王子支線は仙石線石巻港駅(宮城県石巻市)・東北本線岩沼駅(岩沼市)から北王子駅接続の日本製紙専用線に納入する紙製品を輸送するため貨物列車を運行している。しかし、日本製紙が3月限りで北王子駅専用線での貨物の取り扱いを終了する意向を示したことから、3月14日限りで貨物列車の運行を終了することにした。

同線の輸送量は、JR貨物が発足した1987年度の時点で22万2000t。1995年度には発足後最大の35万4000tを運んでいたが、近年は20万t台に落ち込んでいた。震災の影響があった2011年度は5万3000tに激減。翌2012年度も13万4000tで20万t台を大きく割り込んでいる。

JR貨物は「『北王子支線』については、他の需要も見込めない」とし、7月1日付で同線の第1種鉄道事業(線路施設を保有して列車を走らせる事業)を廃止する方針。今後、国土交通大臣に対し同線の廃止を届け出る予定だ。

鉄道事業法によると、貨物運送の鉄道事業を廃止する場合は通常、廃止予定日の6カ月前までに国交相に届け出なければならないが、利用者の利便を阻害しないと認められる場合は、廃止予定日の3カ月前までに届け出ればいいことになっている。 《草町義和》