2010年07月31日

EPIGENETIC ORTHODONTICS 講演会1日目

7月31日、8月1日の2日間、EPIGENETIC ORTHODONTICS 講演会
に出席してきました。

RAMPAを開発された三谷先生が主催されるとの事だったので
三谷先生の講演会だと思っていたのですが、
実際はDr.Singhがメインの講演会でした。
三谷先生は2日目に2時間程度、お話されるとの事。

国際歯周内科学研究会の生田先生、松本先生、津島先生も出席です。
会場に行って気づいたのですが、鈴木設矢先生の娘さんの晴子先生も出席されていました。
P1030950.bmp  P1030951.bmp P1030940.bmp

Dr.Singhはプエルトリコ大学医学部頭蓋顔面障害センターの教授です。

P1040113.bmp P1030936.bmp P1030938.bmp
                                             仲良しの埼玉の大谷先生と一緒に受講しました

EPIGENETICという言葉を始めて聴いたのですが、
環境による影響+遺伝作用=EPIGENETIC 
とDr.Singhは定義されていました。

遺伝子は環境によって影響されるという意味です。
そしてその影響で矯正治療を行うというのが
EPIGENETIC ORTHODONTICSということです

つまり、遺伝だから仕方がないとあきらめなくてよいということです。
これは私たちの考えと全く一致します。

ここで誤解してはいけないのは、
Dr.Singhが言われている「遺伝」は学問的な遺伝子レベルの意味のことで
私たちが普段使っている「遺伝」は先天的な物という意味のことだということです。
ですから先天的なものとあきらめる必要はない、
後天的な因子で生体は正しく変わる事が出来る
という風に私は解釈しました。

また、Dr.Singhは矯正治療で使用する力は
Biomimetic(生体模倣的)な力でなければならない。
周期的で間欠的なシグナルとして生体に加えるべきである。
という言葉も印象的でした。
これはまさしく床矯正に当てはまります。

驚いたのは成人でも骨が発育を続けているということです。
頭蓋骨には癒合していない縫合が多くあるということです。

DNAアプライアンスの3Dアキシスワイヤーで前歯の歯根膜に刺激を与え、
それにより遺伝子に影響を与え、顔面骨の縫合部からの発育を促す。
という理論でした。
にわかには信じがたい事ですが、症例の顔写真は変化が見られます。
セファロなどによる骨の分析がないので、
DNAアプライアンスで顔面骨が変化しているかはわかりませんが、
下顎位の変化や筋系の変化による顔ぼうの変化かもしれません。

これがDNAアプライアンスです↓
P1040071.bmp P1040076.bmp P1040075.bmp

しかし、3Dアキシスワイヤーの作用と床矯正の閉鎖型のワイヤーの作用が
かなり近いため、閉鎖型のワイヤーがそのような影響を及ぼしているかもしれません。
ここ数年で気づいたことですが、
拡大後は閉鎖型を入れた方が予後がとてもよいということです。
ですからここ数年は拡大が終わったら、
必ず閉鎖型を使用するようにしています。
(この場合、唇側線は歯面につけない事が大切です。これはシン先生も同じ事を言われていました。
拡大床で終わりということはほとんどありません。
拡大床だけでは前方の成長が不十分だからです。
側方への成長は拡大床で行い、
前方への成長は閉鎖型で行うという風に私は考えています。
鈴木歯科では拡大が終了したら、
すべてのケースでその日のうちにその装置を閉鎖型に改造しています。
もし、拡大床のみで治療を終えて、
しかも唇側線で前歯を押さえたままにしていたら
前方への成長を妨げる事になりますので、よくないと思います。
この事は私のセミナーではとくに強調してお話しています。

Dr.Singhの治療法は床矯正研究会の治療法に近いかもしれないと思いました。
posted by 研究所 所長 はなだしんや at 00:00| Comment(0) | セミナー&学会活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする