東芝データ流出:被害1000億円超…韓国企業に賠償請求
毎日新聞 2014年03月13日 23時52分(最終更新 03月14日 01時46分)
東芝は13日、「NAND型フラッシュメモリー」の技術に関する機密情報を不正に取得・使用したとして韓国半導体大手のSKハイニックスを相手取り、損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。東芝は具体的な請求金額を明らかにしていないが、「損害の規模は1000億円超」としている。
東芝は「不正競争行為に対して断固たる措置を講じる」と説明。「当社の機密情報が漏えいした疑義が生じ調査を進めていたが、看過できない不正の事実が発覚した」としている。東芝とSK社は次世代型メモリーの共同開発などで提携関係を結んでいる。提携関係については変更はないという。
「NAND型フラッシュメモリー」は、電源を切ってもデータが消えない半導体で、スマートフォン(多機能携帯電話)やデジタルカメラの部品として使われる。1987年に東芝が開発した。世界シェアは東芝と韓国サムスン電子がそれぞれ3割強で2強を形成し、SK社は1割強で4位。
東芝とSK社を巡っては、東芝が2004年にNAND型フラッシュメモリーの特許侵害があったとして、SK社の日本法人などを相手に損害賠償を起こし、07年に和解した経緯がある。技術盗用を巡っては、新日鉄住金(旧新日鉄)が12年4月、韓国の鉄鋼大手ポスコなどを相手取り、総額986億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求めて東京地裁に提訴している。【横山三加子】