鈴木友里子
2014年3月13日21時41分
経済産業省は13日、東証1部に上場している全企業約1800社について、今春闘で賃金を上げたかどうかを調べ、結果を社名も含めて5月に公表することを明らかにした。各社の賃上げへの姿勢を比較しやすい形で示すことで、企業に賃上げの実施を促す狙いもある。
経産省はすでに、各社へのアンケートを始めており、今月末までの状況を集計する。アンケートでは、賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)や一時金(ボーナス)の妥結金額のほか、各社の収益状況などについて聞いている。これらの結果は、そのまま全て公表する。経産省がこうした調査をするのは初めて。
一方、今後交渉が本格化する中小企業については、数万社を無作為に選んだうえで、今夏をめどに同様な調査を実施する。企業名は公表せず、賃上げの動きがどこまで広がっているかを調べるのが目的だ。
政府は、復興法人税を1年前倒しして今月末で廃止する代わりに、企業側には賃上げに協力するよう求めてきた。こうした措置も受け、トヨタ自動車などの大手企業を中心にベアが相次いでいる。賃上げ状況の公表には、こうした動きを政権の成果としてアピールする狙いもありそうだ。(鈴木友里子)
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