日本政府は、今月8日に消息を絶ったマレーシア航空の旅客機の捜索活動を支援するため、航空自衛隊を派遣することを決めた。航空機事故に関連した自衛隊の海外派遣は、今回が史上初。日本は、昨年台風の被害を受けたフィリピンにも災害復旧の名目で海自艦艇や陸自部隊の大規模な派遣を行うなど、このところ自衛隊の海外活動の範囲を広げて影響力を拡大している。
小野寺五典防衛相は11日、記者会見で「マレーシア政府が、旅客機捜索への協力を要請したことに伴い、航空自衛隊のC130輸送機1機を派遣する」と発表した。輸送機は12日にも出発する予定だ。小野寺防衛相は「今後、(マレーシア政府からの)要請の内容によっては、P3Cとかさまざまな能力を持ったものを(追加で)派遣したいと思っている」と語った。
防衛省は12日、自衛隊機が捜索を行う海域などについてマレーシア当局と協議する。
日本は昨年11月、フィリピンが大規模な台風の被害に遭ったことを受け、災害復旧支援の名目で艦艇3隻、航空機16機、自衛隊員1180人を派遣した。自衛隊の派遣をめぐっては、東南アジア諸国への影響力を拡大し、中国をけん制しようとする狙いがあるとの分析が出ている。