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おれの彼女は渡さない
彼女と仲良く相合傘で歩いていたら、学校の荒くれ者からいちゃもんをつけられ、一週間後、決闘をすることになった。負ければ彼女を奪われてしまう……。
はたして決闘に勝って、無事彼女を守りきれるのか。 > 個人サイト Twitter まえおきある日、ぼくは彼女と二人で相合傘をしながら歩いていた。ただ歩いているだけなのに、それはもう楽しかった。ぼくが、ぼくたちが青春だ。
ウフフ あはは
とはいえ楽しい時間は長くは続かないもの。
見ろ、学校で有名な荒くれ者・ミヤギがこっちに向かってやってくるではないか。しかも、とっても機嫌が悪そう。いったい何があったというのだろう。 ズンズン
「おい、お前ら! 雨なんか降ってないのに相合傘するな!」
荒くれ者・ミヤギは「雨も降っていないのに相合傘をするな!」と言っている。たしかにさっきまで降っていた雨は、今はもうやんでいる。
雨は降っていない。だから何だというのだ。
だからと言って、雨が降っていないときに相合傘をしてはいけない法律があっただろうか。いや、ない。
つまりミヤギはいちゃもんを付けたいだけなのである。その証拠に彼はぼくの彼女に手を出そうとしてきた。 「彼女、かわいいじゃん。そんな奴捨てて俺と遊ぼうよ」
ミヤギが顔をほころばせると、頭のちょんまげがピクピクと揺れる。それを見て彼女は不安がっている。
ぼくは「やめろ」と制止した。彼女はぼくの中で「守ってあげたい女性No.1」なので当然のことだ。男らしい姿に、彼女はぼくを見なおしたのではないだろうか。 やめろ。そしてその汚らわしい手をどけろ。
ぎゅううう
しかし、ぼくはあっという間にひねり上げられてしまった。そう、ぼくはケンカがめっぽう弱いのだ。このままでは勝ち目はない。
と、そのとき……。 ぱさっ……
これは、歯医者の診察券……
ミヤギが落とした診察券だ。見ると、今日はこれから歯医者の予定があるようだ。それで機嫌が悪かったのか。
とりあえずこれを使って急場をしのごう! これから歯医者の予約があるんじゃないか?
「いっけねー忘れてた」
「一週間後、決闘だ。俺様が勝ったら彼女はいただく!」
この場はなんとかなった。
しかしミヤギは一週間後の決闘を予告して、立ち去っていった。しかも、負けたら彼女が取られてしまうという自分勝手なルールがついている。 腕力では喧嘩に勝つことはできないのでうまい方法を考えなければ。彼女はUULAさえ見ておけばなんとかなるって言っているけど、ケンカとは関係ないっぽいので聞き流した。 さて、どうしよう。 企画説明「暴力無しで」という縛りアリ。勝たないと話が終わっちゃう
ケンカに勝ってる前提だ
これもケンカに勝っていることが前提になっている
二番目、三番目のミッションが、最初のミッションの成功を前提にしていることがちょっと不安だが、なんとか成し遂げて物語を完成させたい。
なお女子高生役を務めるのは弊社営業橋本。この日初対面でした。
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