大月規義 笠井哲也
2014年3月13日02時01分
東京電力福島第一原発事故がなければ、今春の閉・休校を免れた小中学校が福島県に7校ある。そのうちの1校、いわき市田人地区の市立貝泊(かいどまり)小学校は11年前に児童がゼロになったが、住民ぐるみで首都圏から子どものいる世帯を呼び込み、復活させた学校だ。
「この坂を越えても4月から学校はないんですよね」。登校で校門に続く坂道を上りながら、唯一の児童で6年生の猪狩啓乃(いがりひろの)さん(12)がつぶやく。自宅から約1キロの貝泊小の卒業式は20日。寂しさは募る。
鉄筋2階建ての校舎には小学校と中学校が同居する。原発事故前の2010年度は小学生6人、中学生5人がいた。事故が起きると子どものいる家庭が次々に県外へ避難。学区内の未就学児は5歳以下の3人になり、市は昨秋、閉校を決めた。3年生が1人の中学も今月、閉校する。啓乃さんは4月から約10キロ先の中学校に通う。
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