合格発表シーズンのキャンパスを彩る風物詩「胴上げ」が、ここ数年減っている。発表方法が掲示板からインターネットに移り変わっているのが原因だ。学内掲示にこだわってきた東京大学も今年から構内工事を理由に取りやめた。一方、「あの爽快感を絶やしてはならない」と、予備校や学生は独自の胴上げイベントを相次いで開催している。

 東大前期試験の合格者が発表された10日。例年、合格掲示板を見に来る受験生でごった返す本郷キャンパスは、閑散としていた。赤門近くの東京大学新聞のテントでは、受験番号入りの東大新聞合格記念号が売れず、積み上がっていた。

 昨年までは掲示板を見にきた受験生や保護者が買い求め、行列ができるほどの人気ぶりだった。理科1類2年の丸沢英将編集長(20)は「歩くのも大変なくらい混雑し活気があったのに、今年はがらがらで寂しい限りです」と嘆いた。