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とあるSTAP細胞には関係のない理系大学での論文作成の話



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これは、とある島国の大学での話です。STAP細胞に関する論文とは関係ありませんし、読んでもいません。

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ある研究室では、そこに所属する学生が学会の発表を数ヶ月後に控えながら、論文の作成にいそしんでいました。


その研究室では、その分野にて、それなりの知名度のある教授、准教授、助手のもと、大学生と大学院生まで含めると総勢20名ほどの所帯となっていました。主たる研究の内容は微生物に関する物で、ここの学生はおのおの各自のテーマに沿って研究を進めていますが、微生物に関わるという点では同じ方向性を持っていると言えました。


研究室に所属しているA君は、研究を進めていく上で、この研究室の先輩方の遺産とも言える、過去の論文を参考にしています。この研究室で研究を行っている微生物に関しての分野は、日本国内ではあまり例を見ない物であり、身近に参考となる論文は先輩方の物をのぞけば、数年前にアメリカで発表された論文をいくつか参考にする他ない状況でした。しかも、そのアメリカの論文はサマリーとなっている物のため、詳細な実験手順の記載はありませんでした。


A君は、過去の遺産となる研究結果や論文を参考に実験を進めてきている為、研究の背景や前提となる箇所は過去の論文を見れば明らかでした。微生物に関しての基本的な扱い方、実験の手法等は研究室の世代が変わっても、大きく変わるところはなく、むしろ周到すべきところが多くあります。


論文を書き出すときに、特に序論となる部分は、過去の論文から変えることは不自然だとA君は考えました。なぜなら、数世代前からすでに受け継がれている序論の文章は、現時点で相当に洗練されていて、追加する部分もなければ、削る部分も見つかりませんでした。また、A君が参考としている複数の論文には、同様の序論が書かれていることが多く、多少の違いがあったとしても、それは、少し得意な研究を行っている場合に必要となる、背景や前提部分でした。


参考文献の部分は、引き継がれているということがさらに明確にわかっており、どの研究の論文を確認しても約50の参考文献のうち、40の文献は同じ物を挙げていました。それだけ、この分野の研究が特異な物であるということと、先進的な物であるということを物語っています。また、参考文献の中には、微生物の全体に関する物も含まれていて、引用として利用するのではなく、考え方として取り入れている物も書かれていました。


A君はこれまでも、論文を作成するにあたっては、過去の遺産を利用していましたし、それを教授たちにレビューしてもらう場合には、むしろこういった序論の部分を省略しないように言われていました。物語の書き出しを「むかしむかしあるところに・・」と書き出すような物と助手の先生は言っていたことがあります。A君は何となくそういう物なのだと納得していましたし、ここの部分を自分で書き起こすとなると、過去の文献を穴があくほど読み込んできている為、結局同じような文章ができるだろうと考えていました。


論文の中に使用する微生物の実験結果を示す画像は、大きく分けて2種類あります。1つはA君が実際に研究した結果の証跡となる画像データ。もう一つは、この研究室で行っている研究の基本的な考え方の実証となるある意味一般的なデータです。一般的なデータの方は、研究室の共有サーバの中にストックされていて、誰でも参照できるようになっています。実験データを取り損ねた場合には、共有サーバに類似の研究結果がストックされている為、流用することも可能です。


かくして、この研究室では3割から5割の部分は研究室の類似している論文からの流用となっており、論文の作成自体にあまり時間を書けることなく、本来の研究に打ち込む時間に割くことが可能となっていました。


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とここまで、もんさんの妄想を書いてみました。

今ちまたで騒がれているあの問題については、速やかに収束し未来の大発明に少しでも多くの時間を費やせるようにしてあげたらいいのにと思っています。

おわり。