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競輪の最上位クラスに位置する18選手が一般社団法人「日本競輪選手会」を脱会することが18日、分かった。運営方針を巡って対立したとみられる。脱会の意向を固めている中には、ファンの支持を集める村上義弘、武田豊樹(ともに39)、五輪メダリストの長塚智広(35)ら競輪界を代表する選手も複数含まれている。19日午後、都内ホテルで記者会見を開き、理由を説明する。
脱会の意向を固めている18人は、2012年に設立され、今年一般財団法人となった「SS11(エス・エス・イレブン)」に籍を移す方針。脱会した場合でもレースへの出場は可能だが、競輪選手は全国37都道府県にある選手会支部に所属して活動するのが慣例。選手会は選手への制裁などの強大な権限を有しており、今後、脱会を巡って選手会側が反発する可能性がある。
脱会の最大の理由とされるのは、選手会の運営方針。選手は1回走るごとに1万500円を選手会に収め、この内7500円が退職金に充てられ、残りが年金などの共済金となる。だが、年金は2010年から支給が停止され、退職金も17年まで約20%カットする方針。「制度上すでに破綻している」との声は根強い。東日本大震災での支援活動を巡っても組織としての対応の遅れが指摘されていた。
脱会するある選手は「お金の問題で選手会を出て行くのではない」と前置きした上で、「10年も前から制度自体に問題がある、と指摘していたのに手を打たなかった。選手会の今後のビジョンが見えてこない」と指摘。「2020年の東京五輪への態勢作りも急がないと、競輪のステータスも上がらない」と話した。別の選手は「時代遅れの競輪界を何とかしたい」と意欲を語った。選手の間では18人に同調する動きもあり、今後、脱会の流れが加速する可能性もある。
◆脱会選手リスト 〈2〉村上義弘(京都)、〈3〉成田和也(福島)、〈5〉新田祐大(福島)、〈6〉長塚智広(茨城)、〈7〉平原康多(埼玉)、〈10〉佐藤友和(岩手)、〈11〉岡田征陽(東京)、〈12〉藤木裕(京都)、〈14〉山崎芳仁(福島)、〈16〉武田豊樹(茨城)、〈18〉川村晃司(京都)、〈21〉佐藤慎太郎(福島)、〈23〉伏見俊昭(福島)、〈24〉村上博幸(京都)、〈25〉牛山貴広(茨城)、〈27〉稲垣裕之(京都)、渡辺一成(福島)、小野大介(福島)
※丸数字は賞金ランク、丸数字なしは50位圏外。武田は2002年ソルトレークシティー五輪スピードスケート代表。伏見、長塚は04年アテネ五輪銀メダリスト。渡辺、新田は12年ロンドン五輪出場
◆日本競輪選手会 競輪選手を会員として、出場条件の確保や競技技術、資質の向上などを目的として1952年設立。会員数2690人。全国37ある支部の支部長から役員が選ばれる。現在の理事長は、佐久間重光(55)=三重=。
(2013年12月19日06時05分 スポーツ報知)
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