情報戦略/業務革新

経営のトピックス-PR-

[4]なぜ開発に時間がかかるのか?

2014/03/13
谷島 宣之=日経BPイノベーションICT研究所 (筆者執筆記事一覧
出典:この記事は2009年の日経コンピュータのメルマガ連載『社長の疑問にどう答える?』を再構成し加筆修整したものです  
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 所属する企業の社長、あるいは取引先の企業の社長から、情報システムやITについて質問された場合、どう答えればよいか。ITのプロフェッショナルらしい適切な応答をして「しっかり仕事をしている」と社長に思ってもらいたいところだ。

 そのためには、社長が関心を持つ点について「質問されたら、どう答えるか」と日頃から考えておくとよい。これまで、「なぜパソコンを買い換えるのか?」「なぜグーグルは強いのか?」「なぜシステムは止まるのか?」」といった質問に対する回答の例を上げてきた。

 今回は「なぜ開発に時間がかかるのか?」について考えてみる。社長に代表されるITの“非専門家”に対し、ITのプロフェッショナルがどう話すか、それを考える材料としてお読みいただきたい。

この間、経営会議で議論した件、新システムの準備に最短でも1年はかかると言っていたけれども、なんとか半年程度で用意できないか。

 この疑問は情報システムに限ったものではない。多くの経営者は「もっと素速く経営したい」と考えており、どんな案件についても「短期間でやれないか」と問うてくる。

 あらゆることを素速くやりたい社長にとって、悩ましい案件の一つが情報システムの準備である。例えば全国の販売会社を再編し、営業体制をテコ入れしようとした際、情報システムの責任者から「その日程では新しい販売システムの準備が間に合いません」と言われたとする。

 社長は「なんとか期日までに用意してくれないか」と頼み、次に「無理だと言うが、そこをなんとかするのがシステム責任者の君の仕事だ」とすごんでみるものの、「技術的に無理です」「危険です」と情報システム責任者やIT企業に断言されてしまうとそれ以上追求できない。

 組織の再編や工場の設備増強といった案件であれば、準備にどのくらいかかるか、社長は大体のことが分かっている。無理ができる範囲も知っているから「3カ月前倒ししてくれ」といった指示が出せる。

  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマーク
  • Evernoteでクリップする
  • 印刷する

今週のトピックス-PR-

この記事に対するfacebookコメント

nikkeibpITpro

▲ ページトップ

執筆者一覧

イベントINFO -PR-

最新号