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法華狼の日記

2014-03-12

[]黄禹錫クローン捏造事件において、クローン犬だけは本物だったということ

STAP論文、撤回視野に検討 理研が表明:朝日新聞デジタル

 STAP細胞をめぐっては、英科学誌ネイチャーに掲載された論文で画像の使い回しや記述の盗用の疑いが指摘されてきた。今週になって、STAP細胞からできた筋肉などとされた画像が、筆頭著者である理研の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの博士論文にある別の細胞由来の画像と酷似していることが判明した。

STAP細胞にまつわる疑惑報道を見聞きしながら、たしかに問題は多々あると思いながらも、ソウル大学の検証結果が出た時の驚きを思い出した。


捏造者が所属している大学だけの結論ならば、不充分な検証だったという可能性を感じたかもしれない。しかし米国立衛生研究所でも確認された。

クローン犬やはり「本物」 英誌、米韓の検証結果掲載

 【ワシントン8日共同】9日付の英科学誌ネイチャーは、黄禹錫(ファン・ウソク)ソウル大教授らが「世界初の体細胞クローン犬」と同誌に昨年発表したアフガン犬「スナッピー」について、米国立衛生研究所(NIH)とソウル大調査委員会が、それぞれ「本物」と結論づけた検証結果を掲載した。

もちろん重大な倫理問題であったため、論文は撤回されて研究者は大学から追放され、有罪判決がくだされた。

しかし成果を出しながら徐々に研究現場に復帰し、近年にはコヨーテのクローン製造に成功していると報じられている。

「地に堕ちた英雄」、論文ねつ造の黄氏がコヨーテのクローン作製に成功 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

【10月18日 AFP胚性幹細胞ES細胞)に関する研究論文のねつ造などで有罪判決を受けた韓国の黄禹錫(ファン・ウソク、Hwang Woo-Suk)元ソウル大教授が17日、コヨーテのクローン8頭の作製に成功したことを明らかにした。


また、この捏造事件は韓国内の熱狂が後押しし、もしくは慎重さを失わせたと報じられていた。たしかにそのような面もあっただろう。

しかし黄禹錫事件の発覚と同時期に、日本の大阪大学でも論文捏造が発覚していた。

論文を捏造してもクビにならない不思議な大学 | 日本の科学と技術

データ捏造が明らかだったのにほとんど誰も処分らしい処分を受けていない実に不可解な事例が存在します。それが2004年に阪大から出たNature Medicineの論文です。この論文でビックリ仰天なのは、「脂肪細胞異的PTENノックアウトマウス」を作製し、その解析を行ったと言いつつ肝心の遺伝子改変マウスが存在すらしていなかったということです。

この捏造事件に対して、ふたりの教授へくだされた処分は2週間と1ヶ月の停職だったという*1。組織問題として、これはこれで根深いものが感じられる。

インターネットで黄禹錫事件が話題になっていた当時、韓国固有の問題であるかのように見なされていたことに違和感を持っていた。そして、そもそも大阪大学の事件が話題にのぼらないことが不思議だった。


こうした2005年ごろのことを思い出したものの、どのような文脈に位置づけるべきか私にはわからない。

ただ、たとえ本当に優秀ではあった人物であっても暴走し、あるいは扇動され、事件を起こすこともあるのだと記憶に残った。

また、たとえ何らかの属性が事件の背景にあると論じることができるとしても、少なくとも固有の問題と考えるのは危険だとも痛感した。


とりあえず、現状では確認できた範囲を批判すればいいのであって、推測は推測として切りわけるべきだと思う。

そして、「性別」がどうとか、「真意」がどうとか、あまり属性や内面を問うてもしかたないのだと思う。

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