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2020年、ICTを襲う4大変革 日経コミュニケーション

[ソーシャルパワー]ユーザー同士のつながりが価値を生みプロを超える

2014/03/13
白井 良=日経コミュニケーション (筆者執筆記事一覧
出典:日経コミュニケーション 2014年1月号  pp.16-37
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 2013年11月13日、東京・六本木でスマートフォンを使ったハイヤー配車アプリ「Uber」が静かにスタートした。乗客のリクエストに基づいて、近傍を走っているハイヤーを配車するサービスである。スマートフォンの位置情報を使い、乗客とハイヤーをマッチングする。

 日本のタクシー配車サービスに近いが、運転手を選べたり、現金の受け渡しがなくなるといった点が世界各国でヒットしている。これに対抗するサービスが続々と登場しているが、中でも“クレイジー”なサービスを提供しているのが、米国の「Lyft」だ。車を運転するのはユーザーでも構わない─というのである。同じ方向を目指したい人が居たら、“寄付金”をもらって自分の車に同乗させる。Lyftはそのマッチングを担う。

 米国を中心に、Lyftのような「ユーザー同士をマッチングさせる」ことを目的としたサービスが急増している。

 空き部屋を仲介するサービスの「Airbnb」もその一つ。空室を抱えるユーザーがAirbnbに登録し、その近辺に宿泊したいと考えているユーザーとマッチングする。

 従来のタクシー配車サービスはタクシーと乗客をつなげるもの、ホテル仲介サイトはホテルと宿泊客をつなげるものだった。ともにプロの提供者と消費者とマッチングするためのサービスである。一方、LyftやAirbnbはユーザー同士をマッチングする。似ているが根本的に発想の異なるサービスだ。

 現在はTwitterやFacebookといったソーシャルメディアを代表とした情報基盤で、ユーザー同士がつながりを持つようになっている(図1)。これまでも友人同士はメールでつながっていたが、より緩いつながりまで可視化され、それが実社会への影響力を持つようになった。いわば「ソーシャルパワー」とも呼ぶべきイノベーションが起こっているのだ。

図1●ソーシャルパワーが既存ビジネスに転換を迫る
既にニュースや求人・求職、気象情報といった情報の流通を変えつつある。2020年には商品開発や交通機関まで新しい形にする可能性が高い。
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