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注文から配達まで初音ミク熱唱、ドミノ・ピザが待たせる「不満」解消
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
カスタマー・エクスペリエンスを高める第一歩は、自社の弱点を探ることから始まる。自社の商品・サービスの提供方法で足りない点はどこか。それは顧客が、「不安」「不満」「不便」を感じるところにある。解決策を導き出せば、弱さは強さに変わる。今回は「不満」に注目し、ドミノ・ピザ ジャパンと全日本空輸(ANA)を取り上げる。
事例1:ドミノ・ピザ ジャパン
注文したピザを待つ間、顧客は空腹でイライラしがちだ。到着が遅いと、「まだピザは来ないのか」といった苦情が多くなりやすい。
レストランで注文した品が出てこない。出前がなかなか届かない。こうした待ち時間にイラついた経験は誰もが持つだろう。
そんな顧客の不満を減らそうと、ドミノ・ピザ ジャパンは2013年3月、一計を講じた。ネットで注文した顧客向けに“アイドルのライブ”を提供する(図1)。iPhone向けピザ注文アプリ「Domino's App feat. 初音ミク」を使って、顧客はピザが届くまでの間、仮想世界のアイドルである「初音ミク」が歌う4つの楽曲を楽しめる(関連記事:「数百万円で制作したアプリが数億円の売り上げ貢献」、ドミノ・ピザのマーケティング部長)。
ピザの「トッピング」、「焼き上げ」、「仕上げ」、「配達中」というピザが出来上がるまで段階に応じて、聴ける曲が変わる。到着までの経過が分かり、オリジナル曲でドミノだけの限定版であることが売り物。本来なら単調な待ち時間をエンターテインメント体験に変える試みだ。
“ライブ”はピザが届いた後も続く。ピザボックスの上面をiPhoneのカメラでかざすと、AR(仮想現実)の機能で、iPhoneの画面上に、円形舞台と初音ミクが出現するアプリを作った。iPhoneの位置を変えることで、360度違った視点から初音ミクのライブが楽しめる。
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