集団的自衛権、行使には5条件=北岡・安保法制懇座長代理
[東京 21日 ロイター] -安倍晋三首相が設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の北岡伸一座長代理(国際大学学長)は21日、同懇談会が検討している集団的自衛権の行使条件を明らかにした。4月にまとめる報告書に盛り込む。
都内の講演で北岡氏が挙げた条件は、(1)日本と密接な関係にある国が不当な攻撃を受けた場合(2)放置すれば日本の安全に大きな影響が及ぶ場合(3)攻撃を受けた国から明示的に要請があった場合(4)第三国の領海・領土を通過するには許可が必要(5)首相が総合的に判断して国会の承認を受ける必要──の5つ。
北岡氏は「国際標準よりもより抑制的に集団的自衛権の行使を定義した」と説明。その上で「実際に行使するかどうかは極めて慎重に判断することになる」と語った。
安保法制懇は集団的自衛権の行使や、有事ではないものの警察権が使えない事態への対処に向けた法整備などを議論している。4月に報告書をまとめる予定で、政府はその後に与党と協議した上で、集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を見直す方針。
安倍首相は20日の衆議院予算委員会で、憲法解釈の変更について、国会での議論より先に閣議決定する考えを示している。
集団的自衛権の行使を憲法改正ではなく、解釈の変更で認めることには批判もある。しかし北岡氏は「積み上げてきたもの(憲法解釈)を変えられないというのはおかしい」と指摘。「極端な変更はできないが、昭和29年(1954年)の解釈、すなわち必要最小限(の実力保持)は合憲としたのに比べれば、必要最小限の中身に個別だけでなく集団も入るというのはずっと幅が小さい」と語った。
政府は現在、日本は集団的自衛権の権利を有しているものの、憲法上は行使を許されていないという解釈を取っている。
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