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【グラニュース】


西野監督、フェアプレー厳命

2014年3月13日 紙面から

 名古屋グランパスの西野朗監督(58)が、ストイコビッチ前監督とは正反対となるフェアプレー守備を厳命した。グランパスは開幕から2試合を終えて、警告数はゼロ。その背景には前監督が推奨しチームに染み付いている「タクティカル・ファウル(戦術的ファウル)」の禁止がある。警告を減らすことは順位にも直結。目標とするACL圏内とともに、グランパス史上初となるフェアプレー賞高円宮杯も見えてくる。

 G大阪を2度のフェアプレー賞高円宮杯獲得に導いた西野監督が、ピクシー時代とは180度異なる方針を打ち出した。昨年のストイコビッチ監督は相手のカウンターを浴び後ろから追う形の守備時に、警告覚悟で相手を倒すように要求。これを「タクティカル・ファウル」と呼んで推奨した。しかし西野監督は「僕とは真逆」とキッパリ。2月22日のFC岐阜戦直前のミーティングで「それはノーだ。そうならない方法で止めろ」と選手たちに厳しく通達した。

 ラインを高く上げる西野グランパスでは、後ろから追わざるをえないカウンターの危険は付きまとう。それでもボールの失い方やポジショニングを気を付けることで、リスクは最小限に減らせる。ミスを個人で取り返すのではなく、カバリングの意識を高めることで失点を食い止めるという考え方だ。「アフター(後ろからの)タックルでいいというのであれば、いつまでたっても選手の技術やポジショニングは向上しない」と西野監督。その方向性が2試合を終えて警告ゼロという数字に結びついている。

 もちろん、避けるべきは警告よりも失点。MF磯村が「去年の監督は、そこまでしても点を取られたくなかった。こうも違うのか」と驚き、MF枝村が「C大阪や清水でもアフタータックルの指示はあった」と明かすように、どちらがいい悪いではなく、あくまでも指揮官の考え方の違いだ。

 J1連覇と同時に2年連続で高円宮杯を手にした広島のように、警告数が少なく、それでいて好成績を維持しているチームが存在しているのは事実だ。「フェアプレー賞は狙って取るものではないが、反則ポイントが少なくて優勝するのが理想」と西野監督。新生グランパスは、クリーンなプレーにこだわりつつ勝利をめざす。 (宮崎厚志)

 

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