STAP細胞の共同研究者で山梨大教授の若山照彦氏(46)が10日、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダー(30)にメールで論文の取り下げを求めたことを明らかにした。

 若山氏は「STAP細胞の論文の問題について」と題したコメントをホームページに発表。小保方さんから渡されていたSTAP細胞を第三者の研究機関に分析してもらうことを決めたという。メディアの取材にも「STAP細胞ができたとする証拠はない」「自分が携わった部分は正しいが、その前段階でいろいろ細かいミスが出ている」と話している。

 これまで若山氏は、一貫して小保方さんを擁護してきた。実験マウスに関する不自然な画像が指摘されたときも、「単純なミス」と説明している。他人の論文と似ているとか、その後に発表された詳細な手順書への疑問が出たときも沈黙していたのに、いったい、何があったのか。

「STAP細胞の画像が、小保方さんが早稲田大に提出した博士論文の画像と酷似していることが、新たに分かったのです。STAP細胞と関係ない細胞の画像で、さすがに今回は“単純なミス”とは思えなかったのでしょう。若山さんは世界的に名の知られた気鋭の研究者です。東大大学院で獣医学を専攻し、米ハワイ大留学中の1997年に体細胞クローンのマウスを世界で初めて誕生させている。特殊なマウスを作る技術は世界最高レベル。小保方さんの論文が学会で信頼されたのは、若山さんが共同研究者に名を連ねていたからです。その人が疑義を唱えたのですから、もはやSTAP細胞の論文はだれも信用しませんよ」(関係者)

 若山氏は理化学研究所にいた2010年に研究の協力を始めた。請け負ったのは、マウスの受精卵にSTAP細胞を移植し、細胞の多能性を証明する実験。STAP細胞が変化した細胞は緑色に光るようにした。1年半後、いろんな部位が緑色に光るマウスが誕生し、多能性が証明された、はずだった。

 マウスの実験は「自信を持って適正と言い切れる」(若山氏)という。ただ、小保方さんから受け取っていた「STAP細胞」とされた細胞が、別の何かだったのではないか、と疑い始めているのだ。

 さて、小保方さんはどうするのか。