シアトルはアマゾンの本社所在地なので、アメリカのイー・コマースの総本山になっています。
そのアマゾンのお膝元で、王者アマゾンに挑戦する、けしからん会社が登場しています。その名は、ズーリリー(ティッカーシンボル:ZU)

ズーリリーは「お母さんのためのキュレーテッド・ストア」です。
女性が妊娠し、出産すると生活が激変します。赤ん坊は絶えず母親を必要とするので、お母さんは急に行動範囲が狭まります。子育てには苦労が多いし、出産の苦しみや、自分に100%依存する、赤ちゃんの存在は、途方も無い責任をお母さんにもたらすわけです。
つまりこの時期の女性はとても情緒的に不安定な時期であり、味方を必要としているわけです。一例として(赤ちゃんにカワイイ服を着せたい!)という願望があっても、乳幼児を抱えていればおいそれとショッピングにも行けません。
ズーリリーは、そういう新しいお母さんのためのキュレーテッド・ストアです。ちょっと気晴らしに外出し、ブティックに買い物に行くことすらできないお母さんのために、普通ならブティックでしか手に入らない、カワイイ子供服を、毎日、「日替わり特売」でオファーします。
それらの商品は、いずれもユニークで、見つけにくく、数量が限られているという特徴を持っています。
実際、ズーリリーの扱う子供服のベンダーの大半はアメリカ国内の零細なアパレルメーカーであり、その手作り感溢れる商品の殆どには、ユニバーサル・プロダクト・コード(=量産品につけられる、バーコード番号)さえ付いていません。
そのアマゾンのお膝元で、王者アマゾンに挑戦する、けしからん会社が登場しています。その名は、ズーリリー(ティッカーシンボル:ZU)
ズーリリーは「お母さんのためのキュレーテッド・ストア」です。
女性が妊娠し、出産すると生活が激変します。赤ん坊は絶えず母親を必要とするので、お母さんは急に行動範囲が狭まります。子育てには苦労が多いし、出産の苦しみや、自分に100%依存する、赤ちゃんの存在は、途方も無い責任をお母さんにもたらすわけです。
つまりこの時期の女性はとても情緒的に不安定な時期であり、味方を必要としているわけです。一例として(赤ちゃんにカワイイ服を着せたい!)という願望があっても、乳幼児を抱えていればおいそれとショッピングにも行けません。
ズーリリーは、そういう新しいお母さんのためのキュレーテッド・ストアです。ちょっと気晴らしに外出し、ブティックに買い物に行くことすらできないお母さんのために、普通ならブティックでしか手に入らない、カワイイ子供服を、毎日、「日替わり特売」でオファーします。
それらの商品は、いずれもユニークで、見つけにくく、数量が限られているという特徴を持っています。
実際、ズーリリーの扱う子供服のベンダーの大半はアメリカ国内の零細なアパレルメーカーであり、その手作り感溢れる商品の殆どには、ユニバーサル・プロダクト・コード(=量産品につけられる、バーコード番号)さえ付いていません。
欲求不満の溜まった(笑)お母さんは、毎朝、ズーリリーから特売案内のメールを受け、ズーリリーのサイトでは東海岸時間朝9時に、一斉に、その日の「すぐれもの」商品がUPされます。
で、お母さんは「ギャーっ! このお洋服、カワイイ!」と言っている間に、もうその商品は売り切れになってしまうわけです。それはもう雇用統計発表ナイトのFXトレーダーみたいな緊張感なのです。
ズーリリーは4年前に創業され、現在の顧客は320万人です。先に発表された、新規株式公開(IPO)後、初の四半期決算では、売上高成長率はちょうど+100%でした。


同社は赤ちゃんの服、キッズの服から、女性アパレル、ホーム用品、キッチン用品、玩具などへ商品の取り揃えを広げつつあります。
そう書くと(なんだ、アマゾンと同じ道を歩もうとしているのか?)と読者のみなさんは考えるかもしれません。
ただズーリリーが根本的に異なるのは、顧客とのリレーションシップを最も大切にし、スケールは二の次だという点です。
アマゾンの場合、最大の品揃えを、巨大な倉庫から、最短の時間で顧客に届けることを目標としています。言わばウォルマート的な発想です。
しかしズーリリーは、最短の時間にはこだわりません。
実際、ズーリリーは顧客が「BUY」ボタンを押すまで、ベンダーから商品を購入しないのです。注文が来て、顧客のクレジットカードへのチャージが確定してから、鷹揚にベンダーに発注します。
そしてベンダーはその商品をオハイオ州にあるズーリリーの配送センターに届け、その商品は配送センターにワンタッチした後、即、各顧客のところへ転送されるわけです。つまり一日の終わりには、配送センターには在庫は残っていないわけです。(因みに今回の決算では在庫は僅か1,300万ドルのみでした)
最初に顧客からおカネを払ってもらい、その後でその商品を発注するという順番なので、ズーリリーはワーキング・キャピタル的には大きな黒字です。
このような、或る意味、殿様商売がまかり通る理由は、あくまでも冒頭に説明したような、顧客との特別のカンケーを結んでいることが影響しているわけです。
お母さんの立場からすれば(ここでしか買えないレアなカワイイ服が、ズーリリーから届くのだから、待たされるのは当り前だし、逆に待つのはワクワクして、楽しい)という理解になっているのです。
(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
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これとは別にMarket Hack編集長、広瀬隆雄の個人のFacebookページもあります。こちらはお友達申請を出して頂ければすぐ承認します。(但し本名を使っている人のみ)
相場のこまごまとした材料のアップデートはMarket HackのFacebookページの方で行って行きたいと考えています。
で、お母さんは「ギャーっ! このお洋服、カワイイ!」と言っている間に、もうその商品は売り切れになってしまうわけです。それはもう雇用統計発表ナイトのFXトレーダーみたいな緊張感なのです。
ズーリリーは4年前に創業され、現在の顧客は320万人です。先に発表された、新規株式公開(IPO)後、初の四半期決算では、売上高成長率はちょうど+100%でした。
同社は赤ちゃんの服、キッズの服から、女性アパレル、ホーム用品、キッチン用品、玩具などへ商品の取り揃えを広げつつあります。
そう書くと(なんだ、アマゾンと同じ道を歩もうとしているのか?)と読者のみなさんは考えるかもしれません。
ただズーリリーが根本的に異なるのは、顧客とのリレーションシップを最も大切にし、スケールは二の次だという点です。
アマゾンの場合、最大の品揃えを、巨大な倉庫から、最短の時間で顧客に届けることを目標としています。言わばウォルマート的な発想です。
しかしズーリリーは、最短の時間にはこだわりません。
実際、ズーリリーは顧客が「BUY」ボタンを押すまで、ベンダーから商品を購入しないのです。注文が来て、顧客のクレジットカードへのチャージが確定してから、鷹揚にベンダーに発注します。
そしてベンダーはその商品をオハイオ州にあるズーリリーの配送センターに届け、その商品は配送センターにワンタッチした後、即、各顧客のところへ転送されるわけです。つまり一日の終わりには、配送センターには在庫は残っていないわけです。(因みに今回の決算では在庫は僅か1,300万ドルのみでした)
最初に顧客からおカネを払ってもらい、その後でその商品を発注するという順番なので、ズーリリーはワーキング・キャピタル的には大きな黒字です。
このような、或る意味、殿様商売がまかり通る理由は、あくまでも冒頭に説明したような、顧客との特別のカンケーを結んでいることが影響しているわけです。
お母さんの立場からすれば(ここでしか買えないレアなカワイイ服が、ズーリリーから届くのだから、待たされるのは当り前だし、逆に待つのはワクワクして、楽しい)という理解になっているのです。
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