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宙組新作 七海ひろきの不良っぽい感じがなんとも言えず魅力的

 宙組の蓮水ゆうや、七海ひろきを中心とするバウ・ウエスタン・ピカレスク「the WILD Meets the WILD」(生田大和作、演出)が、25日から宝塚バウホールで開幕。今回はこの模様と来年前半のラインアップ発表会見の模様をあわせて報告しよう。

 「the WILD―」は佳作「春の雪」以来の生田氏の新作。19世紀末のアメリカ西部、トゥム・ストーンを舞台に、2人の青年の対照的な生き方を描いた青春活劇。孤児のジェレミー(蓮水)は鉱夫一家に引き取られ、一家の息子ベンジャミン(七海)とともに兄弟のように育つ。やがて成長したジェレミーは高等教育を受け、10年ぶりに帰郷するが、そこには変わり果てた街と悪に染まったベンジャミンがいた。

 「春の雪」とはうってかわった題材への挑戦だが、サブタイトルの「WMW」を「割とマジでウエスタン」と読ませるように女性だけの宝塚とは思えない男っぽい舞台に仕上がっている。ただ、なんとなくおもちゃの拳銃を持って遊びたいさかりの男の子がはしゃいでいるといった感じもなきにしもあらず。

 蓮水扮するジェレミーが町に帰ってきたのは実はバウンティーハンター(賞金稼ぎ)としてベンジャミンを殺すことが目的であることが分かるのだが、別の事件のトラウマで人を殺せなくなっているという設定。これに父子の再会がからんできて、西部劇には欠かせない早撃ちの決闘シーンもあるのだが、なんだか股旅ものかマカロニウエスタンみたいな展開でいっこうにすかっとした感じにならない。

 蓮水はプロローグはローンレンジャーかと思うかっこよさだが、ストーリーが展開するにつれ、悩める青年になり、果てはピストルを持っているのに剣さばきみたいな立ち回りがあったり、いまいち理解に苦しむが、歌唱力といい立ち姿といいさすがの存在感。

 七海は、大和悠河そっくりの甘い雰囲気はそのまま残しながら不良っぽい感じがなんとも言えず魅力的。蓮水との対決は常に邪魔が入ってお預けとなるのだが、動きに切れがあって見た目もすっきりしてよかった。

 ヒロインは酒場の女優こと賞金稼ぎのエマを演じた花乃まりあ。男前な娘役演技でなかなかかっこよかった。やや大柄にみえるが歌える強みがある。

 ベンジャミンの恋人マティルダは愛花ちさき。花乃とは対照的な清楚な娘役演技でそれはそれで存在を示した。ベンジャミンの妹アンジェラの遙羽ららがまだ未知数だが可愛さで一際目立っていた。

 ほかに、男役では市長役の蒼羽りく、進行役的なネッドの澄輝さやと、ベンジャミンを裏切るレナード役の星吹彩翔が面白い役で印象的。専科の夏美ようは登場するだけで大きな存在感があり、いいのだが逆にラストが分かってしまう弱みもあった。

 ミュージカルとしては良くできており、ダンスナンバーなどの挿入や装置など思わず「クレイジー・フォー・ユー」を思わせた。生田氏は毎回違った題材で勝負するレンジの広さが魅力で、次回はいよいよ大劇場デビュー。期待したい。

 一方、100周年ラインアップが、22日、宝塚市内のホテルに各組トップが勢ぞろいして発表された。

 それによると元日の宝塚大劇場での専科の轟悠と5組トップコンビが出演しての口上から祝賀ムードを盛りあげ、1月は柚希礼音を中心とする星組によるナポレオンの半生を描いた日仏コラボの新作ミュージカル「眠らない男」(小池修一郎作、演出、ジェラール・プレスギュルヴィック作曲)からスタート。以降花、月、宙、雪組の順。

 100周年の4月1日をはさむ記念公演は龍真咲を中心とする月組公演。日本絵草紙「宝塚をどり」(植田紳爾作、演出)プチ・ミュージカル・プレイ「明日への指針―センチュリー号の航海日誌―」(石田昌也作、演出)グランド・レビュー「TAKARAZUKA花詩集100!!」(藤井大介作、演出)の3本立て。各組トップが特別出演するほか100人のラインダイスや100期生が初舞台を踏む。

 続く5月は凰稀かなめら宙組で「ベルサイユのばら」―オスカル編―(植田紳爾脚本、演出、谷正純演出)と、宝塚最大のヒット作の再演も用意された。

 また4月5日の記念式典をはさんでOGトップコンビが大挙出演するスペシャルイベントが前後2日間開催される。

 小林公一理事長が「全員一丸となって宝塚の総合力を高めていきたい」と言えば記念公演にあたる龍は「身の引き締まる思い。宝塚レビューの集大成をおみせしたい」と抱負。ほかに10年に一度の大運動会(10月7日、大阪城ホール)も予定され、宝塚大劇場内には4月5日に宝塚歌劇の殿堂をオープンすることもあわせて発表された。

 さて、次回は月組新人公演の模様を報告します。お楽しみに。(薮下哲司)

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 スポーツニッポン新聞社

[ 2013年7月24日 ]

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