STAP細胞の小保方さん「デートの時も研究を考え」


(更新 2014/2/ 4 16:00)

神戸市にある理化学研究所の実験室で毎日12時間以上過ごす。祖母からもらったかっぽう着姿で作業する (c)朝日新聞社 (撮影/諫山卓弥) 

神戸市にある理化学研究所の実験室で毎日12時間以上過ごす。祖母からもらったかっぽう着姿で作業する (c)朝日新聞社 (撮影/諫山卓弥) 

 科学界に現れた新ヒロイン、小保方晴子(おぼかたはるこ)さん。iPS細胞よりずっと簡単に作れる「STAP細胞」を開発したことで、一躍時の人となった。会見でつけていた指輪が注目を浴びるなど、可愛らしい一面が取りざたされる彼女の、素顔を探った。

 小保方さんは1983年生まれ。千葉県松戸市で3姉妹の末っ子として生まれ、育った。本人いわく「ちゃっかりした子どもだった」らしい。

「再生医療の領域に化学からアプローチしたい」とアピールし、早稲田大学理工学部が実施した初めてのAO入試に合格。学部時代はラクロスなどの部活動に励みながら、微生物について研究をした。

 早大大学院から再生医療の研究に転じた。細胞を培養した経験は、このときから。指導した東京女子医科大学の岡野光夫教授はこう評価する。

「意欲がすごく、前向きな学生だった。未知のことをこつこつとやっていく、研究者としていい資質を持っていた」

 奨学金をもらいながら、大学院を修了。英語は米国のドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」で学んで、08年に米ハーバード大学へ留学。背中に人の耳を生やしたマウスを作った、著名な再生医学研究者、チャールズ・バカンティ教授の指導のもとで実験を続けた。細胞にストレスを与えると万能化するという着想は、ここでつかんだ。

 STAP細胞が本当に「万能」だと示す決め手としては、全身がSTAP細胞からできたマウスをつくる必要があった。でも、うまくいかなかった。

 世界屈指の技術を持つ若山照彦・理研CDBチームリーダー(現・山梨大学教授)と、以前に東京で会った時のことを思い出した。その時かけられた言葉は、「困ったことがあったら、おいで」。

「明日から行っていいですか」

 OKがもらえたから、11年3月に帰国した。理研に自分の研究室を持つようになったのは、昨年3月。部屋の壁はピンクと黄色でカラフルにし、ホームページもピンクのトーンで統一している。

 好きな服は、女の子っぽさとロックっぽさを兼ね備えた英国のブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」。自ら「こだわりが強い」というように、毎日愛用する。1月28日の記者会見には、大ぶりな指輪を左手中指につけてのぞんだ。お気に入りの服が汚れないよう実験中に羽織るのは、白衣ではなく、祖母からもらったかっぽう着だ。

 研究をしていない時は? 

「ペットのカメの世話をしたり、買い物に行ったり、温泉に入ったり、本を読んだり。ふつうです」

 ただしそのペット、スッポンの「ポンスケ」の住み家は、研究室の水槽だ。

「この8年間は四六時中、研究のことを考えている。実験室だけでなく、お風呂の時もデートの時も。今も(1日)12時間以上は、研究室にいる」

※AERA 2014年2月10日号より抜粋

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