エコノミストのウソ 経常黒字・赤字論

<まことしやかにささやかれる、エコノミストのウソ 経常黒字・赤字論>

経常黒字・赤字について、コメント欄に寄せられました。

問題は、政治家・官僚・財界人がそう思ってないってことですよ。そして、今現在、彼らは成功者なので自ら省みることはない。そして政策決定を常に間違う。
この辺は学問的に論破しても無力です。



 回答します。本当は、予定稿で、1か月くらい先になる予定(ツイッターでも紹介)でしたが、経常黒字・赤字論が、最近特にうるさくなっているので、分かりやすく解説します。

全然、中野剛志の続きや、新国際収支の解説、アップできません(笑い)。

 世の中の認識を180度変える、決定稿です。

みなさん、今度の記事は、本気で、あらゆる人に拡散させてください。

 大河の一滴ですが、大きな一滴にしなければなりません。


それほど、重要です。

 こんな意見を言うのは、本当に例外ですが、「重要」です!!!!
 
 
最近、経常収支が赤字(金融収支赤字)になり、それにつれて、経常収支について扱う、コメントなどが多くなっています。

その中に、「発展段階説」なるものが、登場するようになりました。いわく、国の経済が発展すると、経常黒字国(債権国)から、経常赤字国(債券取り崩し国)になるというものです。

http://blogos.com/article/81652/?p=1

経常収支黒字減少のなにが問題なのか? - 安達誠司

国際収支の発展段階説――日本は成熟した債権国



よくこんな、化石みたいな話を引っ張り出してくるなあと思います。こんなの学(メカニズム・相関関係・因果関係)でもなんでもなく、「俺はこう考えるんだよね(クローサー1957)」という、単なる「説」、はっきり言うと、妄想、ファンタジー、くだらないヨタ話です。「害」です。

これ、1950年代 昭和32年!!!!の話ですよ。固定為替相場制時代の話で、しかも、当時の貿易(カネ・財・サービス)なんて、今日の貿易額からくらべたら、180分の1の時の話ですよ(1950年の貿易量1000億ドル、2012年18兆ドル)。


しかも、貿易(輸出入)なんて、実物取引1:100資本取引の時代ですから、モノ・サービスの取引量など、カネの取引量の100分の1、犬でいったら、カネが犬の胴体と頭、実物など、犬のしっぽやふん程度の話です。

実物取引1:資本取引95の時代ですから、カネで言えば、昭和32年の5,760倍の時代です。

「経常黒字だああああ、赤字だああああ、わあわああ!!!」なんて言うのは、
その「犬のしっぽ、ふん」がどうのこうのという話、「犬のふんで、犬の全体像を分析すると~」みたいな、むちゃくちゃな分析方法なのです。

それを引っ張り出してきて、「発展段階説によれば~」なんて、今の時代に、「火打石の確実な使い方は~」みたいな話です。

 確かに、1971年までのブレトンウッズ体制(固定相場制)では資本取引が制限されていました。
だから、ドルの持ち出しは制限されていたのです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%A4%96%E6%97%85%E8%A1%8C
ウイキペディア

一般の市民が職業上の理由や会社の都合ではなく、単なる観光旅行として自由に外国へ旅行できるようになったのは翌1964年(昭和39年)4月1日以降であり年1回500ドルまでの外貨の持出しが許された。さらに1966年(昭和41年)1月1日以降はそれまでの「1人年間1回限り」という回数制限も撤廃され1回500ドル以内であれば自由に海外旅行ができることとなり、これ以降、次第に物見遊山の海外旅行が広がり始めた。



三位一体 トリレンマ
トリレンマ.jpg



 その当時は、文字通り、「輸出で外貨を稼ぎ、輸入でその外貨を使う」時代だったのです。

 しかし、今は、資本取引が自由化され、外貨のことなど、全く心配のない世の中、外貨(カネ)取引が、実物取引の95倍の時代です。

そんな時代に、「輸出があああだの、輸入があああ」だの、実物取引がどうのこうのなど、犬のふんの話なのです。

だから、IMFの国際収支表マニュアルが、今回、17年ぶりに改訂され、メインは「金融収支ファイナンシャル・アカウント」になったでしょう?

2010 国際収支表


経常取引(実物取引)は、従、主役は、カネ(金融取引)なのです。

しかも、この国際収支表には、カネ取引が記載されるものの、最終的には、金融収支項目内で相殺され、表に出てこないのです。

三面等価図2
   ↓
このEX-IM部分が「国際収支表」
2010 国際収支表 模式図
2010 国際収支表 2

GDPの三面等価、

Y+IM=C+I+G+EXは、実物でもあり、同時にカネがどう動いたかを示すものであり、しかも、EX/IMは、カネで行けば、実物の95倍取引量です。

20世紀は、EXは輸出、IMは輸入でよかったのですが、今はこの式は、「カネ」のやり取りを示す式であり、EXは文字通り、資本の輸出、IMは文字通り、資本の流入のことを示すのです。

「EXは外貨を稼ぎ、IMはその外貨を使用する」というのが、固定相場時代の化石論のように、「EXは輸出、IMは輸入」ととらえるのは、20世紀の遺物です。 「EXは海外投資、IMは、対内投資受入れ」のことなのです。

だから、EXが重要なのではなく、IMが重要、いかに海外から、投資してもらうかの時代なのです。アメリカや、イギリスが、金融立国目指しているのは、当然です。実物の100倍もカネが動くからです。

だから、TPPや、EPAで、「関税がどうのこうの」と、輸出入で考えることなど、もうどうでもいい話(表面的にはそう見える)で、問題は、資本の輸出入にかかわること、投資のルールの整備が焦点なのです。

なぜ、会計基準が、グローバル化にともなって、90年代以降、世界共通化が加速したのか、なぜ、上場会社は、3か月に1度、会計を発表しなければならなくなったか(これ、ものすごいコストかかりますからね)、なぜ、国際収支表が、「金融収支」がメインになったか、これらはすべて、「金融カネがメインの時代」になったからです。投資のための、ルール整備なのです。

Y+IM=C+I+G+EXは、カネ取引を示す式です。IM輸入が増えたら、Y(GDP)に影響する????バカ言うなという話です。

今は、いかにIM(資本流入)を促すかの時代です。EX(輸出)がどうのこうのなど、犬のしっぽ、ふんの話です。

TPP交渉や、WTO交渉で、「関税がどうのこうの・・・」とやっていますが、そんなのは、アメリカもイギリスも、「そんなのもうどうでもいい話」だということは、裏で、完璧に合意している話です。

だから、関税(実物経済の輸出入)の話が停滞しようと、どうでもいいのです。真面目に進める気もありません。逆に、話し合いが進展しない方が、かれらにとって都合がいいのです

もうけるのは、「モノ・サービスじゃなくて、カネだ!」というのが、真実で、だから「金融資本主義」というのです。

国際収支表の実態
国際収支表の実態 2
貿易 実物取引

 だから、GDPも凄まじい伸びを示していますが、(89年ベルリンの壁崩壊から、3.5倍)金融資本は、そのGDPの伸び率を上回っているのです。

世界GDP 輸出額 伸び
金融資産 残高 推移

 GDPの成長率など、目じゃないのです。金融資本主義、21世紀に加速しているでしょう?

アメリカもイギリスも、とっくに、「資本主義」の体制を変えているのです。レジーム・チェンジなのです。今は、「革命」の時代なのです。「産業革命」ではなく、「金融革命」です。

対外資産 世界2

 だから、英国もアメリカも、笑いが止まらないのです。経常収支黒字ではなく、経常収支赤字(世界から投資を呼び込む)で、大儲けです。

 世界や、日本のエコノミストが、「貿易黒字があああ」とか、「経常黒字がああ」とかと、化石論を振りまいてくれている間は、独走状態です。「もっと言え!」状態です。

 表向き、「経常赤字で大変だあああ」と、言っていれば、「そうだねそうだね」といって、世界中が心配してくれ、世界中が「輸出・輸入がああ」と言っている間に、もう、陸上トラックで、何週も先を走っているのです。

 私が、「輸出で外貨を稼ぎ、輸入で外貨を使う」思考様式など、化石論だ!といって批判しているのに、未だに、そんなバカな話を振りまく、小笠原誠治。 カテゴリ 小笠原誠治 参照。

 世界は、「カネ」の時代なのに、「実物(経常黒字)がああ」思考様式など、20世紀の遺物を振り回す 安達誠司。

 本当に、「害」なのです。

「貿易黒字がもうけ、赤字は損」なみに、「経常黒字が善、経常赤字が悪」など、21世紀にひっくりかえってしまったことを全く理解していない、「害」論を振りまいているだけです。

 時代は、「経常赤字が善(海外が、カネを持ってきてくれる)、

経常黒字が損(カネをせっせせっせと流出)」
の時代なのです。

 これは、極論で、もちろん「善・悪はありません」が。

経常収支 黒字 赤字


 なんで、メキシコが、NAFTA(北米自由貿易協定)を結んで、ホンダや日産の工場を誘致するのか。なんで、「カネを投資されて(IM増えて)喜ぶのか」

 NAFTAは、カナダ・米・メキシコの自由貿易協定(FTA)です。

日経H26.2.22
NAFTA FTA ホンダ



 すでに、その3国では、関税が撤廃されています。

NAFTA1


 ところが、NAFTA(FTA)以外との国の間では、関税はそのままです。

NAFTA2

 さて、日本の企業は、アメリカで車を売る場合に、どうしようとするでしょうか?
そこで、メキシコに進出するのです。メキシコに工場を作れば、それは、アメリカ国内に工場を作ったのと、同じことになるのです。メキシコは、労働力が豊富で、部品を安く作れるメリットがあります。

つまり、「FTAの外にいる=関税がある=関税の向こうに、進出する=産業空洞化??」になるのです。

NAFTA3


 なんで、GNP(国民総生産)ではなく、GDP(国内総生産)が、その国の国力を表すのか、なんで1997年に、指標がGNPからGDPに変わったのか。
 
 外資であろうがなんであろうが、その国内に工場があり、従業員が働けば、そのGDPがアップするからです。

 なんで、日本のHONDAや日産が、メキシコに工場を作るのか?なんで、国内投資I(海外で工場作るより、残業で増産した方が、カネかからないでしょうに)より、国外投資EXを優先させるのか。

 トンでも論でいっつも、述べられている、「雇用流出」じゃないですか!

 笑いが止まらないのは、「メキシコ」だということが、分かりませんか?NAFTAは、3か国の話ではなく、国外からカネを呼び込む、高等戦略なのです。

 そこに気付かない、周回遅れの国々が、「輸出が輸入が」とワーワー言って、その国の経済構造を説明するはずのエコノミストが「経常黒字が赤字が・・・」とワーワー言って・・・

 アメリカや、イギリスのアングロサクソンが、笑いをかみ殺しているのが見えませんか?


 だから、「経常収支があああ!」など、「95分の1に過ぎない実物取引で、その95倍の実際の経済を分析すると・・・」という話で、文字通り、「お話にならない」「害」を振りまいている状態なのです。

よく読め!

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110606/220468/?P=4

「貿易赤字国転落」論の誤解 国際収支を巡る議論 基礎編

小峰 隆夫

「黒字が赤字より望ましいと限らない」「輸出が輸入より望ましいとは限らない」というのが正しいとすると、貿易収支や経常収支そのものはそれほど重要な政策目標ではないということになる。

 これは事実である。

 現に、先進国の中で経常収支や貿易収支を政策目標として位置付けている国はない(と思う)。日本でも、「サステナブルな範囲で、できるだけ高めの経済成長を目指す」「物価の安定を図る」「働きたい人が働く場があるような完全雇用を目指す」という政策目標についてはほとんどの人が同意するが、「経常収支や貿易収支を望ましい姿にするために政策を動員すべきだ」という主張は(少なくとも私は)現時点では聞いたことがない(かつてはあった)。



経済学では、「黒字が赤字が!!!」は、「死んでいる」話なのです。



もう、扱うのもばからしいのですが、一応、挙げておきます。

http://blogos.com/article/81652/?p=1

経常収支黒字減少のなにが問題なのか? - 安達誠司

国際収支の発展段階説――日本は成熟した債権国

話は変わるが、筆者は、この種の問題を考えるためには「国際収支の発展段階説」を援用するのが有用であると考えている。「国際収支の発展段階説」とは、一国の経済発展によって、国際収支構造(貿易収支、所得収支、経常収支、対外純資産残高)が変化していくという考え方である。「国際収支の発展段階説」はあくまでも超長期の変化を考えるものなので、1~2年単位で経常収支の推移を追いかける場合には使うべき方法論ではない点には注意する必要がある。

国際収支 発展段階説

このような「国際収支の発展段階説」の重要な点は、国際収支構造の変化は、一国の経済発展段階と密接な関係があり、経済の発展段階に従って経常収支や対外資産(負債)残高の構造が決まってくるという点である。



昭和32年の化石論であることを、お断りしておきます。

 上から下へ、その国の経済は発展し、日本は、「成熟した債権国」から、「債権取り崩し国」になったので、「経常収支赤字だよ~ん」というものです。ここから、さらに発展していく「成熟した債務国」には、英国やアメリカといった、お仲間がいるそうです。英国やアメリカは「成熟した債務国」で、これが、経済が発展した最終段階の国が入るゴールだというものです。

 ばっかじゃなかろうかです。

 じゃあ、いつの間に、オーストラリアは、日本を抜いて、「成熟した債務国」になったんですか?

経常収支の推移 - 世界経済のネタ帳

1人当たりGDPは、日本を抜かしたのに、この30年で1度も経常収支黒字になったことなんてありません。それとも、オーストラリアは、日本よりずっと早くに経済発展していたのですか?ずっと、「成熟した債務国」だったとでも?

経常収支の推移 - 世界経済のネタ帳

 カナダは、経常収支赤字(~99年)→黒字(2000年から2008年)→赤字(2009年~)ですから、順調に、経済発展しているようです。
 99年までは発展途上国で、2000年~先進国で、2009年~「成熟した債務国」になったようです。すごいです。99年までは、「未成熟な債務国」「成熟した債務国」だったのに、2000年からのわずか8年で、「債務返済国」→「未成熟な債権国」→「成熟した債権国」に駆け上がり、日本より早くに「債権取崩国」になって、成熟している。

 カナダって、1990年代までは発展途上国だったんですか???・・・

 ブラジル。GDPは、イタリアを抜いて、世界6位にまでになった、「大国」です。

経常収支の推移 - 世界経済のネタ帳

 なんだろう、この動きは。「成熟した債務国」から脱して、「債務返済国」→「未成熟な債権国」→「成熟した債権国」になったのに、また、「成熟した債務国」に脱落して、また
「債務返済国」→「未成熟な債権国」→「成熟した債権国」に復活して、日本より先に「債権取崩国」に駆け上がって、日本より1人当たりGDPははるか下・・・

一人当たりの名目GDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳

 発展段階説がバカなのか、それを持ち出す人がバカなのか・・・

 発展段階説では、イギリスは、「成熟した債務国」=ゴール国=最上位国。

経常赤字国 30年 推移
1人あたりGDP 伸び

じゃあ、ニュージーランドもアイスランドも、オーストラリアも、30年前から「成熟した債務国」=最上位国?

 ポルトガル、ギリシャ、スペインは、「未成熟な債務国」=最下位国?

 日本は、その間ずっと「未成熟な債権国~成熟した債権国」=上から2番目、3番目をうろちょろ・・・?

何言ってるんだか、さっぱりわかりません。

経常収支の推移 - 世界経済のネタ帳
一人当たりの名目GDP(USドル)の推移 - 世界経済のネタ帳

 もう、はっきりしているではないですか。経常赤字国の方が、経済パフォーマンスがいいことが。(1人当たりGDPの絶対値、1人当たりGDPの伸び率を見てください)

 EX=資本カネ流出、IMは資本カネ受入れ、カネをより多く集めた方が、1人当たりGDPは、日本より「多い」のです。

もう、使わないでくださいね。高校資料集で、こんなアホ論「経常収支発展段階説???」載せている、浜島書店、第一学習社 実教出版さん。

時代は、 「EXはカネ流出」「IMは資本カネ(投資)受け入れ国」なのです。実物取引「EX=輸出」「IM=輸入」で見たら、ダメなのです。

 アングロサクソンの思うつぼ(なんだか陰謀論みたいですけど・・笑)です。


いつになったら「対外資産が枯渇」するのか

これを「ストック(資産残高)」でみてみよう。経常収支が黒字であれば、日本の対外資産は増える。日本は長らく経常収支黒字を記録してきたので、過去の蓄積から膨大な対外資産を保有している。経常収支赤字の状況が続けば対外資産が減少していくが、減少していくペースは経常収支赤字の規模に依存するため、仮に対外資産が枯渇することが「危険である」ということが正しいとしても、膨大な対外資産を保有する日本で「対外資産が枯渇」するような事態はなかなか来ない。

ちなみに2012年末の日本の対外(純)資産残高は296兆3150億円で、2013年の経常収支は3兆3061億円の「黒字(!)」だったので、2013年末の対外(純)資産は300兆円を突破した可能性が高い。今後、平均して5兆円程度の経常収支赤字が続いたとしても、対外(純)資産がゼロになるのは60年後である。しかも、まだ経常収支は黒字なので、対外(純)資産は減少していない。



 簡単に言うと、債権を取り崩すだの崩さないだの、まさに、「固定相場制」の時代の話です。

クリック

臨時投稿2 本当にクズ論。対外純資産がどうのこうの・・・


 日本にもありましたよね。「国際収支の天井」みたいな話。

日本景気がよくなる(貿易黒字で外貨稼ぐ)

円高・ドル安になる

固定相場制だから、ドル売り円高介入しなければならない

生産するのに、原材料の輸入が増える(外貨が出ていく)のに、外貨がない

外貨分しか原材料を購入できず、生産は縮小する

景気が悪くなる

これ、1950年代の話ですよ。固定相場制の時代、外貨がなくなったら、IMFが融資する、SDR(特別引き出し権)を使用する・・・・確かに、その時代は、そのようなことがありました。

景気がよくなると、輸入も増え、ドルで支払うから、外貨が枯渇する・・・輸入が増えると、円安ドル高になるから、固定相場制を維持するために、当局はドルを売って、円を買う・・・外貨がなくなる(国際収支の天井)から、そこで、景気回復は終わる・・・

未だに、貿易赤字=外貨が出ていく、貿易黒字=外貨を稼ぐって、ほんとに、ばっかじゃなかろうかという話です。

 そもそも、債権(外貨準備)を取り崩すだのなんだの、ストック(対外債権債務)を「使う」とか「使わない」とか言っている時点で、アホ論です。

ストックは、過去に使用したカネのことで、2度と使えない「帳簿上あるだけ」のカネです。

貿易赤字国=金融赤字国、貿易黒字国=金融黒字国で、カネのやり取りは、その年のうちに、決済されています。経常赤字・黒字もフロー、その年のカネのやりとりのことです。

 つまり、貿易赤字(経常赤字)で、モノ・サービスを買うお金は、同時に、海外からの純投資(金融赤字)で、調達されています(95倍も)。

 貿易黒字(経常黒字)国は、同時に、金融黒字で、貿易赤字国にカネを渡しています(カネの流出)。

 それが、国際収支表の、原理原則=複式簿記(同時)ということです。

1月 輸出10円 =金融黒字10円    輸入20円=金融赤字20円
     ・
     ・
     ・
12月 輸出10円=金融黒字10円    輸入20円=金融赤字20円

1年合計 輸出120円=金融黒字120円   輸入240円=金融赤字240円

         1年合計 貿易赤字120円=金融赤字120円

 このどこに、過去の資産ストック(対外資産)の取り崩しが???? どこに、日本の国富の流出が???

120円は、海外からの投資受け入れでしょうが!

どこに、296兆円(2兆9600億ドル)もの現金が?

過去の債権(ストック)を取り崩しだの、崩さないだの、対外資産が枯渇するだの・・と言っている時点で、トンでも論なのです。

 一見、経済通を名乗っているような人(自称専門家)が、根本的な話を理解せずに、クズ論をぶって、一般の人に「クズ経済論」を広めているのですから、もう、どうしようもないです。

 そういう人(会社)の共通点は、「経済学の教科書」なんて、開いたことがないというものです。経済学と一般常識は、180度違うのです。頼むから、「学」を勉強してください。でなければ、「学」を知っている方に、聞いて、解説してもらってください。

 もう、直観とか、常識とか、そんなものに頼る、クズ論は、勘弁してください。

 「害」です。


どうでもいい話 日経H26.3.12

日経 h26.3.12.1

重要な話 日経 同

日経h26.3.12.2 


問題は、政治家・官僚・財界人がそう思ってないってことですよ。そして、今現在、彼らは成功者なので自ら省みることはない。そして政策決定を常に間違う。
この辺は学問的に論破しても無力です。



政治家のみなさん、今回だけは必読です。見てください。よろしくお願いします。

http://blogos.com/article/81652/?p=1

経常収支黒字減少のなにが問題なのか? - 安達誠司

国際収支の発展段階説――日本は成熟した債権国




 ああ、ついでですが、記事で扱われている、日本の輸出額と、円高円安は、関係ありません。

日本の輸出額は、為替ではなく、世界の輸出額の伸び、世界のGDPの伸びと相関しています。名目は、ずっと円高、輸出は、伸びています。

世界gdp 日本輸出額 相関
日本輸出額 世界GDP 相関

2日本輸出額 世界輸出 相関
世界の輸出額 日本の輸出額 相関


圧倒的な相関です。

円高で輸出に影響、円安で輸出増など、完全な神話です。政治家のみなさん、よろしくお願いします。


クリック

現実を見よう その2 円高・円安と輸出入
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theme : 間違いだらけの経済教育
genre : 学校・教育

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菅原先生、明快な解説に、またまた感動しました。「嘘だらけの国際収支分析」なんていう本も、出版していただきたいものです。
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