長編小説「神聖喜劇」などで知られる小説家の大西巨人(おおにし・きょじん、本名=のりと)氏が12日午前0時30分、肺炎のため、さいたま市内の自宅で死去した。97歳だった。告別式は行わない。喪主は長男で作家の赤人氏。
新聞社勤務を経て、戦後は反権力の立場で小説執筆、評論活動を展開。1952年のエッセー「俗情との結託」で故野間宏氏の「真空地帯」を批判。同氏や後の共産党議長、故宮本顕治氏と論争した。
日本軍の不合理さを描いた神聖喜劇は執筆に25年間をかけ、80年に完結した。主な著作に「三位一体の神話」「地獄篇三部作」など。
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