JR大阪駅の駅ビルで、顔認証技術を使って通行人を無差別にカメラで撮影し追跡する実験を4月から計画していた独立行政法人「情報通信研究機構」(東京)は11日、実験開始を延期すると発表した。プライバシーの侵害などを理由に市民から批判が寄せられたため、今後立ち上げる第三者委員会が問題点の検討を終えるまで、実験は始められないと判断した。

 機構は、市民からの懸念の声▽政府が検討中のパーソナルデータの利活用ルールの行方▽個人情報保護法などの制度的な課題▽撮影を拒む人への技術的対応の可否――などを理由に挙げ、慎重に検討を続けることにした。

 機構の能見正・ネットワーク研究本部統括は「6月にまとまる予定の個人情報保護法改正案の大綱も踏まえて判断する」と話し、実験開始は少なくとも数カ月は遅れる見通しを示した。