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【大相撲】

遠藤、試練の連敗

2014年3月11日 紙面から

日馬富士(左)にすくい投げで敗れが遠藤=ボディメーカーコロシアム

写真

◇春場所<2日目>

 全休明けの横綱日馬富士(29)=伊勢ケ浜=は横綱初挑戦のホープ遠藤(23)=追手風=を豪快なすくい投げで下して2連勝とした。遠藤は2連敗。初の綱とりの大関鶴竜(28)=井筒=も小結松鳳山を危なげなくはたき込んで連勝発進となった。横綱白鵬は玉鷲を引き落とし、かど番の大関稀勢の里は関脇栃煌山を辛くもはたき込んで、ともに白星を2つ並べた。大関琴奨菊は小結豊ノ島に寄り切られて早くも土がついた。

 横綱の壁は分厚かった。初めて日馬富士に挑んだ遠藤は立ち合いから激しく突っ張られる。何とかこらえたが、最後はすくい投げに屈した。出稽古で痛めた左眉の上からこの日も出血し、「ガックリ」と言わんばかりに支度部屋へ戻った。

 「強かったです。オーラがすごかった。突き起こされないように、1秒でも長く土俵にいられれば、と思いました。でも、全然いられなかった」。鶴竜に負けた初日は笑顔を見せる余裕もあったが、この日はさすがに終始うつむいていた。

 昨年春場所でデビューし、わずか1年で迎えた初めての横綱戦。そして初の結びだった。時間いっぱいになると自然と「遠藤コール」が沸き上がる。緊張してガチガチになってもおかしくはないが、「緊張はあったけど、硬くなったりとか自分を見失ったりとかはない。時間いっぱいになったら大丈夫だった」と遠藤。デビューから1年の力士とは思えないほど、大一番でも程よい緊張感と集中力を保てている。

 1月の初場所後に故郷・石川県穴水町に帰省した。家族や小学生時代の幼なじみらと実家で久しぶりに酒を飲んだ。ビール、焼酎、能登ワイン。飲みすぎたのか、遠藤は大の字になって寝るほどリラックスしたという。場所前の7日も一日完全オフにした。休む時は休む。こうした割り切りが土俵で硬くならない秘訣(ひけつ)のようだ。

 日馬富士に続いて3日目も横綱戦。相手は28度の優勝を誇る白鵬だ。初土俵から7場所目となる94年初場所4日目で曙に勝った武双山を抜く史上最速初金星の可能性もまだある。3日目は東日本大震災からちょうど3年。「1秒でも長く土俵の上に立って頑張る姿を見せたい。思い切りいくだけです」と遠藤。被災者を勇気づけるため、ファンのため。23歳の若武者が浪速で座布団を舞わせる。 (永井響太)

 

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