福島第1原発事故:「県発表で名誉毀損」双葉病院が提訴
毎日新聞 2014年03月12日 12時36分(最終更新 03月12日 12時44分)
東京電力福島第1原発から約5キロの距離にあり、入院患者40人が原発事故後に死亡した双葉病院(福島県大熊町)を運営する医療法人「博文会」(鈴木市郎理事長)は11日、福島県を相手取り、患者を置き去りにしたかのような発表で名誉を傷つけられたとして、謝罪広告の掲載などを求める訴えを福島地裁に起こした。
訴状によると、県は2011年3月17日、「3月14日から16日にかけて院内に重篤な患者だけが残された」「自衛隊が到着したとき、病院関係者は一人もいなかった」などと発表した。しかし、法人側は「14日午前10時ごろ、院内に院長ら6人がいた。虚偽発表だ」と主張。毎日、朝日、読売の全国紙3紙と地元紙への謝罪広告掲載と、県のホームページに謝罪文を少なくとも1年間載せるよう求めている。
法人側の抗議を受けて県は12年7月、病院側に事実確認しなかったことを認める文書を県医師会に提出した。提訴について県保健福祉部は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【栗田慎一】