伊吹文明衆院議長は11日、東京都千代田区の国立劇場で開かれた「東日本大震災3周年追悼式」の追悼の辞で、「国会議員は、エネルギー政策のあり方について、現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」と述べた。安倍政権が目指す原発の再稼働には理解を示しつつも、将来的には原発に頼らない社会をつくるべきだとの考えを示したとみられる。

 伊吹氏は「電力を湯水のごとく使い、物質的に快適な生活を当然のように送っていた我々一人ひとりの責任を、全て福島の被災者の方々に負わせてしまったのではないかという気持ちだけは持ち続けなければならない」と訴えた。

 また、「科学技術の進歩により、私たちの暮らしは確かに豊かになったが、人間が自然を支配できるという『驕(おご)り』が生じたのではないか。そのことが核兵器による悲劇を生み、福島の原発事故を生んだ」とも語った。