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【大リーグ】

ダルビッシュ、今年は打たせて取る OP戦3度目登板で5イニング63球の“省エネ”投球

2014年3月12日 紙面から

◇オープン戦 レンジャーズ8−2レッズ

 【サプライズ(米アリゾナ州)大城和美】2014年は打たせて取る!! レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は10日(日本時間11日)、当地でのレッズ戦に先発。今オープン(OP)戦最長の5イニングを63球にまとめ、5安打2失点に抑えた。当初は4イニングの予定だったが、球数の少なさから首脳陣が急きょ1イニングを追加。本人も長いイニングを投げるために“省エネ”投法にこだわったことを明かした。昨季は奪三振が多い分、球数の多さも議論の的となった右腕。手薄なブルペンも助けるため、3年目の今季はよりメジャー仕様にモデルチェンジする。

 マウンドにいたのは、いつものダルビッシュではなかった。奪三振は立ち上がりに1番ハミルトンから奪った1個だけ。得意のスライダーも6球にとどめた。代わりに多投したのはツーシームと直球。「今日は真っすぐ系で『打ってください』という感じで。初球から打たせにいきました」。4イニングを終えた時点での球数は予定より17球も少ない48球。球数の多さを指摘されていた右腕が、新しいスタイルを見せた。

 テンポ良くアウトを重ねた。1〜3回はいずれも三者凡退。ブルースら中軸は3球以内で片付けた。アリゾナ州ならではの乾燥した気候が災いしたのか、2巡目に「あまり(球筋が)動かなかった」というツーシームを打たれて2失点したが、スライダーに頼らずにあくまで直球系で処理。予定より長い5イニングを投げたことにも、「(4回を終えて)コーチに行け、と言われたので。僕は普通に帰ろうとしてたんですけど」と涼しい顔で振り返った。

 昨季はメジャー最多の277奪三振。打者をねじ伏せた一方で、課題は球数の多さだった。昨年5月に8イニングで130球を投げた際には、ワシントン監督の采配に批判の声も。以降、球数がかさむと交代が早まる傾向にあったが、省エネに成功すれば長いイニングを投げることも可能。この日の1イニング当たりの球数は、昨季の16・46球より4球も少ない12・6球。単純計算で、1イニングは長く投球できることになる。

 「三振を取るような場面も、打たせて取ることに徹した。シーズンに入って、そういうバリエーションになったら面白くなるかも」。あくまで打たせる投球術はスタイルの一つ。いざとなれば三振を狙えることに変わりはない。ただ、レ軍はダルビッシュ以外の先発陣に故障者が相次ぎ、救援陣も手薄。台所事情を考えればエースにはできるだけマウンドに居てほしいだけに、ワシントン監督も「今日は経済的だったな」と目を細めた。

 奪三振で全米を熱狂させてきた右腕。だが、本人は常々、「三振を奪う競技じゃない」と言い続けてきた。この日も目標を問われると、「勝利することです」と即答。100球が先発投手の交代の目安となるメジャー。悲願の世界一へ。3年目のニュー・ダルビッシュが、効率的にアウトを積み重ねる。

 

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