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▽レス始

「魔装生徒! ユキま! 六話 TS有り注意(ネギま+GS)」

球道 (2007-07-12 03:43/2007-07-13 01:27)
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2003年 1月
――三学期始業式

「はいっ? 今日から担任が代わるぅっ?」
学園長室に呼び出され、開口一番聞いた言葉に、驚愕する。
今日は、三学期の始業式である。
中途半端なそんな時に、行き成り担任が代わるというのだ、驚かない訳が無い。
それに、
「副担任の俺が聞いてないってのは、如何いうことっすか!?」
まったく聞いてないぞ、俺は!

「だ、だって高畑君が言ってるって思ったんじゃもんっ!」
「良い年齢した爺さんが『もん』とか言わんでください!」
まったくこの、後頭部はっ!

「……それで? どんな先生なんですか?」
横島はため息を吐く。
この爺さんには何を言っても無駄なのだ。
高額報酬の依頼を目の前にした美神さんのように。

「此処に写真があるのじゃが……」
ゴソゴソ、と、学園長が取り出した写真には……、

「……、このかちゃん?」
学園長の孫、近衛木乃香の姿が……。
着物を着て、薄く化粧をした、このかちゃんが微笑んでいる。
うん、やはり、可愛い。
「……?」
「どうじゃ? 嫁に」
「って、見合い写真かよっ!」

「新任の教師の写真ですよ! 新任教師のっ!」
「ふぉっふぉっふぉ、ちょっとした、おちゃっぴぃじゃよ」
「……お見合いは、このかちゃんが高校生になったらにしてください」
あと、意思を確認してから! と、釘を刺す。


「さて、新任の教師の写真、じゃったか……」
「まったく……」
近右衛門が一枚の写真を、取り出す。

「こ、これは……!?」


魔装生徒!
ユキま!

第六話


麻帆良学園、朝の名物。

ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!
麻帆良大登校!
と、言っても、ただ登校してるだけなのだが……。
普通の学校とは、人数が違いすぎる!
人の波、波、波!
初めて見た者は確実に圧倒されること、間違いない。


そんな中を、雪乃も走っていた。
「ふぁぁぁっ……、ねみぃ……、やっぱ仕事二倍は寝る時間がねぇ」
でも金は要るしなぁ……。
俺から切り出した話だから、ちゃんと半々で頭金を出さないといけねぇし……。
その後の生活とかもあるんだから、その分も残さねぇと……。
金が無ぇから、飯食わねぇ、ってのはもう、俺にはできねぇ。
しっかり栄養とらねぇと、肌も荒れるし、あのヤケに疲れるクラスに居て、飯食わねぇってのは自殺行為だ。

それに金銭面で横島におんぶで抱っこは、嫌だ。 それだとなんか扶養家族みたいだ。
俺と横島は、あくまで対等、相棒で、ライバルなのだ。


「ん? あれはアスナと、このか……、それと……、ガキ?」
ふと前を見ると、雪乃の前をクラスメイトと一人の少年が走っていた。
「……アスナ達と登校ってのは久しぶりだな……よし」
並んで登校でもしようか、と、加速しようとしたときだった。


ガッ!
「うひ」

アスナが少年の頭にアイアンクローをかましたのは。
アスナはそのまま、少年の頭を持ったまま、持ち上げる。
「おおー、すげぇ握力」
時々見せる、アスナの腕力は雪乃をも唸らせる。
「あいつ、プロレスラーかなんかになったほうがいいんじゃねぇか?」
結構、ウケると思うけどな、と、苦笑。

「取・り・消・しなさいよ〜〜〜」
「あいや、あわわ……」
少しだけ聞こえる会話から察するに、少年が何か気に触るような事をアスナに言ったようだ。
ぐぎぎぎぎぎ……。

「オイオイ、あのガキ、頭、潰れるぞ……?」
アスナの握力ならもしかしたら、殺れるかも知れん。
止めに入ろう、と、思った時。
上から視線を感じた。

横島?

視線を校舎の二階に向けると、横島が、手を振っていた。
横島の姿を確認したことが解ったのか、横島は、サインを出し始める。 ちなみに、良く野球で使われるようなブロックサインだ。
……、なになに?
その少年、アスナから救い出し、学園長室へ、連れて来られたし。 今日の、一限目の英語、自習じゃ無くなった、御愁傷様。
とのこと、とりあえず、了解、と、サインを出しておく。

ったく、高畑先生が出張中だから、無ぇと思ってたのによ、英語の教科書持ってきてねぇや……。
雪乃はため息を吐いた。

「とと、あのガキを学園長室に連れて行くんだったな……」
雪乃は三人に近づいていった。


その時、少年が咳払いをし、正直信じられないことを言った。

「この度、この学校で英語の教師をやることになりました、ネギ・スプリングフィールドです……」
はっ?
「え…ええぇ〜〜〜っ!?」


「学園長先生!! 一体どーゆーことなんですか!?」
ジャージ姿のアスナちゃんが学園長を問いただす。
……、何故アスナちゃんがジャージなのかは、アスナちゃんの名誉のために、言わないでおきたい。
毛糸の熊パン……。
「……横島、左からも鼻血、出てるぞ」
……っ! 急いで左にも、ティッシュを詰める。
うむ、これで問題ない。
「……、情けないやつ……」
うっさいわい!!


と、雪乃と話しているうちに大体の話は終わっていたようだ。
「ダメだったら故郷に帰らねばならん、二度とチャンスはないが、その覚悟はあるのじゃな?」
「は、はいっ、やります! やらせてくださいっ!」

お、そろそろ、俺の出番かな?
「……指導教員の先生を紹介しよう」
学園長の視線が、横島に移る。

「指導教員の横島忠夫先生じゃ、わからないことがあれば、彼に聞くといい」
「横島だ、よろしくたのむ」
そう言って、手を差し出す。

「よ、よろしくお願いします」
その手をネギは握り返した。


「そうそう、もう一つ」
思い出したかのように、近右衛門はこう言った。
「このか、アスナちゃん、しばらくはネギ君をお前達の部屋に泊めてもらえんかの?」
まだ住むとこ決まっとらんのじゃよ、と、さも事も無げに言う。
「げ」
「え……」
「ええよ」
上から、アスナちゃん、ネギ君、このかちゃん。
絶句する二人に対して、すんなり了承するこのかちゃん、いつも思うんだが、この子は大物に成ると思う。……、血筋だろうか?

「もうっ! そんな何から何まで! 学園長ーっ!!」
学園長に食って掛かるアスナちゃん。
まあ、そうだろうな、普通。
いきなり服を……「横島、鼻血、ティッシュから滴り落ちてるぞ」……おおっと。

「それに! 雪乃のところでもいいじゃないですか!! 雪乃、一人暮らしだしっ!!」
そう言って雪乃を指差す、アスナちゃん。
それに、
「ああ、俺んとこは駄目だ」
と、素気無く返す、雪乃。
「なんでよっ!!」
「俺はもうすぐ引っ越すからな」

「……え?」「そうなんかー?」

その発言に衝撃を受ける、アスナちゃん、このかちゃん。
「な、なんでよっ、引っ越すって行き成り!」
「本当に行き成りな事だったんでな、アスナ達には、話してなかったな」
……、まあ、確かに、行き成りな思い付きだったな。
「い、いつ引っ越しちゃうのよ!」
「あ? ああ、家が建ってからだからな……、早くて三学期中……、遅くても、来年度には引っ越せると思うぜ?」

「……そ、そうなんだ」
「さびしなるわぁ」
と、急にしんみりと、大人しくなるアスナちゃん。
……、こいつらこんなに仲良かったんだなぁ、寮からちょっと行った所に引っ越すだけなのになぁ……。

「雪乃君の部屋はそういうわけで、これから引越しの準備で忙しいんじゃ、雪乃君が引っ越した後、その部屋をネギ君に使ってもらおうと思ってたんじゃが……」

「――――――」
アスナも学園長のその言葉には、反論出来なかった。

「仲良くするんじゃよ?」
最後に学園長がそう言って締めくくった。


「あんたなんかと一緒に暮らすなんてお断りよ!! 寝袋ででも暮らせばいいでしょ……!」
学園長室から出るとすぐ、アスナはネギに言い放った。
――こんなガキに高畑先生の代わりが勤まる訳無いじゃないっ!

「じゃあ私、先行きますから、先生!!」
このか、雪乃、行くわよ! と、足音を響かせながら、アスナは教室へと向かった。
「ひどいなー」
と、苦笑いを浮かべるこのかが、アスナの後を追う。

「あ……」
流石にコレじゃあ、可愛そうな気がすんな……。
ぽふっ。
そう思った俺は、ネギ、だったか? 坊主の頭に手を乗せる。
――もしかしたら、背は同じくらいか?
と、若干、要らん事を考えながらも、頭を撫でてやる。
「まあ、アイツの事は気にすんな、アレでも結構良い奴なんだぜ?」
振り返った坊主の顔が、『本当ですかぁ〜?』と、言っている。
……、まあ、さっきまでの態度じゃ信じられないのもしょうがねぇか……。

「じゃあ、俺も先に行くぜ……、横島、ちゃんとフォローしてやれよ?」
「あ、はいっ! ありがとうございました! ……えっと」
「ああ、名乗ってなかったか、俺は、伊達雪乃、お前のクラスの生徒だ、よろしくな」
「はいっ! 伊達さん!」
ネギは元気良く返事をした。
「おう! 良い返事だな! ……、と、そうだ横島、今日、十時半にイグドラシルの裏の路地で待ち合わせだからな?」
「……おいおい、こんなとこでそんな話すんなって、ネギ君も居るんだし」
はいはい、と、横島の小言をスルーし、教室へ向かう。


「な、なんだか、男前な人、ですね……?」
ネギ君は雪乃に少しビックリしたようだ。
まあ、アレじゃあな、驚きもするか。
「まあ、男前だなぁ、それ言ったら多分喜ぶよ?」
「そ、そうなんですか?」
「ああ、そういう奴なんだよ」

「あ、そうそう、コレがクラス名簿、歩きながらでも、ざっと目を通しておくと良いよ」
「あ、はい」
「じゃ、行こうか」

「はいっ、横島先生!」
「ははは、元気だな、ネギ君は」
ところで……、と、横島は切り出した。

「……ネギ君、呼び捨てで呼んでもいいか?」
「はい?」

「いやな、さっきから、もう、どーしょーもなく、背中が痒くって痒くってもぅっ!!」
「はい??」

「丁寧な喋り方って、あかんねん! 君って何だよ! きどっとんのか? エセ紳士か!?」
「よ、横島先生?」

「……、まあ、何だ、これからはもっとフランクに行こうって事だ」
「あ、はい」
キョトンとした、ネギに俺は笑いかける。
そんな話をしているうちに、2−Aの教室の前に着いた。


ドアの前で、深呼吸する、ネギ。
緊張しているのか、ドアに手が伸びていかない。

そんなネギの肩に手を置く。
「大変だろうけど、やってやれない事は無いからさ」
これは体験談だ、高校生だった俺が、行き成り教師になった時の事。
如何考えても無理だっ! って思ってた時に、雪之丞が言った言葉だ。
『大変かもしれねぇけど、やってやれねぇこたぁねぇだろ、つーか俺よりマシじゃねぇかっ! たかが教師だろうが! 何で俺がスカートなんかっ!! ちくしょうっ!!』
後半は、まあ、無視しといて。

「……あ」
「な?」
ニカッ! 笑ってみる。

「……はいっ!」


そしてネギは2−Aのドアを開けた……。


あとがき

はい、今日はここまでです。
今、大体、一巻の30ページくらいまでですかね。
いやはや、やっと昨日実家から原作のネギま!を回収してきました。
引っ越したときに持ってこなかったのが、仇になりました、やっと本編が書けます。
原作を手元に持ってないで書いてたんかいっ! って言う突っ込みは、無しの方向でお願いします。


レス返し

趙孤某さん
>龍宮フラグのかほりが…
あ、すいません、匂いますか?

BLESSさん
>雪乃嬢ってこんな計画性のある性格でしたっけ?
家を建てる事だけを考えていた結果ですから、突っ走り雪之丞は健在です。

DOMさん
>今の雪乃の状態は女乱馬って感じですよね。
>しかし、確実に精神が肉体に引きずられている。
確かに、女乱馬っぽいですね、しかし乱馬と違って、お湯で男に戻らないですからね。
そりゃあもう、グイグイと精神は引っ張られていきます。 加速度的に。

一二三さん
>ちょっとドキドキしちゃっただろうが
このドキドキ感が堪らなくなる日が来るやもです。

最後の砦さん
>だから抑える必要はないから!
そうですよね、抑えたって、そのうちどっかから飛び出してきてしまいますよね。
ならば、いっそ……。

ケンポンさん
>TS物は好きではなかったなずなのに・・・。
ケンポンさん、いらっしゃい……。
>雪に萌えてる俺はもう終わってしまったのか?
いいえ、これから始まるんです。

ふらっぺさん
>ぐはっ、はだワイ最高ぅーーー
でしょう? ですよね? やっぱりこれですよ。

?さん
>TSじゃなくてBL物じゃないのだろうか?
そ、それは、禁句ですよー。

Tシローさん
>先生としてそれなりに生徒と交流を持った状態での話は、GSクロスとしては見たことがないのでどう展開していくか楽しみです。
自分としても、自分が、如何書き上げていくのか楽しみです。

紅蓮さん
>同棲していることがバレた時のネギ&2−Aメンバーの反応が楽しみです♪
楽しみにして頂いているなら、嬉しいです。 さて、いつバラしましょうか?

Februaryさん
>女は行動力!! 宣言から3日で工事に入るとは・・・どんな手使ったユッキー・・・
学園長室に乗り込んでですね、学園長の後頭部を手で掴んでグリグリと……。
と、まあ、大体は力尽くかと。

ハイズさん
>てか額に米?
日本酒でベロンベロンだったんです、横島君。
>横島……バンダナは……?
アイロン掛けて、スーツの胸ポケットの中です。
描写不足ですね、申し訳ないです。

wataさん
>同棲生活のスタートがもうすぐ・・・横島は耐える事ができるのか?無理っぽい(笑)
横島の可能性をそんな簡単に決め付けちゃ……! 無理でしょう(笑)

ARKさん
>雪乃の壁に向かっての頭部強打wマジで期待します♪
期待していてください、確実にヤッてみせます!


多くのレス、ありがとうございました!
これからも、頑張りますのでよろしくお願いします!!


では、明日か明後日か明々後日か!

ばっちこ〜い!

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