日本の外務省の斉木昭隆・事務次官が今日来韓し、韓国外交部(省に相当)の趙太庸(チョ・テヨン)外交部第1次官と両国関係や韓半島(朝鮮半島)情勢について意見を交換する。今回の次官級協議は昨年12月に日本の安倍晋三首相が靖国神社を参拝した後では初めて行われるものだ。先月日本政府は安倍首相の外交・安全保障政策の右腕とされる谷内正太郎・国家安全保障会議(NSC)局長を韓国に派遣しようとしたが、実現しなかった。
今回の次官級協議は、4月に予定されているオバマ米大統領の韓日両国訪問を1カ月後に控えた時点で行われるという点で、大きな注目が集まっている。米国はオバマ大統領の訪問前に、韓日両国が関係を改善することを希望しているからだ。
日本メディアは、斉木次官が「河野談話そのものを破棄する考えはない」とする日本政府の意向を伝えるものと予想している。1993年8月、当時の河野洋平官房長官は「慰安所の設置および管理などに旧日本軍が直接あるいは間接的に関与した。従軍慰安婦として苦痛を受けた全ての方々に謝罪し反省する」という内容のいわゆる「河野談話」を発表した。日本はその後、1995年にも当時の村山富市首相がかつての日本による植民地支配全般について謝罪する「村山談話」を発表し、その後の韓日両国の外交関係はこの二つの談話が軸となって進められてきた。歴代の日本政府はこの二つの談話を継承する意向を示すことで、韓国政府との関係を維持してきたのだ。ところが現在の安倍政権は、発足直後から河野談話と村山談話の継承を明言してこなかった。
安倍首相は先月、日本の国会での質疑という形で「河野談話を再検証する」との考えを表明した。これをきっかけに日本の過激分子たちは「慰安婦問題は捏造(ねつぞう)」などとする妄言を乱発している。このような状況で日本が「河野談話を見直すことはない」との立場の表明を、韓国に対する配慮あるいは何らかの交渉カードと考えているとすれば、これは大きな勘違いだ。日本は独島(日本名:竹島)問題についても「日本政府が『竹島の日』を国家行事とせず、また閣僚級ではなく政務官級の人物を行事に派遣したことは韓国に対する配慮だ」とする詭弁(きべん)を口にしている。これなどはまさに「盗っ人たけだけしい」行為に他ならない。
韓日関係は1年以上にわたり「断交」と言っても過言ではないほど最悪の状況が続いている。韓米日三角同盟と北朝鮮の核問題に対する協力などを考えたときに、韓日関係を今のまま放置するわけにはいかないのは自明の事実だ。安倍政権が本当に韓日関係の改善を望んでいるなら、河野談話の再検証などといった言葉遊びや挑発的言動をまずは中断すべきだ。それがあってこそ韓日両国の政府高官による対話を今後も続けていくことができる。