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新・たけぞう瀕死の日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-03-11

[]SIerの社内フレームワークを前向きに捉えてみる SIerの社内フレームワークを前向きに捉えてみるを含むブックマーク

その昔、僕が客先常駐ソルジャーだった頃、そこには辺り一面炎上プロジェクトばかりでした。

僕の参加していたプロジェクトでは、

などなど、それはそれは酷い有様でした。

僕の経験上、これらの問題はプロジェクトの初期に技術的な方針を決定した元請会社プロパー社員もしくはそれに極めて近い立場の方の技術的な経験不足が原因でした。

ご存じのとおり、SI業界では多重下請構造常態化しており、それなりの規模のプロジェクトになると実際にコードを書くのは元請の社員ではなく下請のプログラマの方が中心になります。つまり、実際にシステム開発を行う上で必要になる技術力を持っているのは下請ということになります。

しかし、大きなプロジェクト場合プロジェクト初期は(元請のプロパー社員を中心とした)少数のメンバーで立ち上げ、プロジェクトが進むに従って下請の要員を増やす、という形を取ることが多いです。そのため、プロジェクトの序盤に技術的な知見の不足している元請のプロパー社員システムアーキテクチャを決めるというような危険極まりない事態が横行していました。

当時はまだJava黎明期でしたし、企業システムWeb化も始まったところという状況でしたから、実際に手を動かすことの少ない元請社員たち(本来彼らに求められているのは顧客との仕様調整であったり開発要員のマネジメントであったりするわけです)に技術的な知見が不足しているということは必ずしも責められるべき点ではないと思いますが、そういった部分を技術力のある下請に任せていれば避けられた失敗も少なからずあったように思います。

しかし、元請SIer(および一部のユーザ企業)ではこのような失敗を避けるため、プロパー社員技術力を向上させるのではなく、技術力のある下請に任せるのでもなく、各プロジェクトアーキテクチャを考えなくてもいいように社内フレームワークなるものの整備に乗り出したのです。

なにかと悪名高いSIerの社内フレームワークですが、もともと技術力にバラつきのある下請プログラマを統制するためのものではなく、技術力のない元請社員イマジネーション溢れるドリーミングなアーキテクチャを生み出してしまうことによる損失のリスクヘッジと考えるとある程度納得できる部分もあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

ちなみにこの社内フレームワークバグっていて被害をこうむることもあったりするわけですが、それはまた別の話。