最近女性の活躍を伝えるニュースが多く、喜ばしいことです。今年の芥川賞、直木賞ともに女性が受賞しましたし、若い女性の研究者がSTAP細胞を発見し、世界中から注目されています。
そして、今日からオリンピックが始まりますが、ここでも女性の活躍が大いに期待されるところです。ソチオリンピックの日本選手団は、男子48人、女子65人で、冬季オリンピックで初めて女子選手数が男子選手数を上回りました。アイスホッケー、カーリングで、女子だけが出場権を得たことによるものです。ロンドンオリンピックでも女子選手数が男子を上回っていましたし、スポーツ界における女性の活躍は続いています。
選手数だけでなく、団長は橋本聖子氏,副将は田畑真紀選手、旗手は小笠原歩選手とチームをまとめる役割に女性が大きく貢献していることも注目です。小笠原選手はママさん選手で、ママさん選手が旗手になったのは日本では夏冬のオリンピックを通して初めてだそうです。外国人選手ではママさん選手の活躍が珍しくありませんが、日本では、トップアスリートとして活躍する人はまだまだ少ないように思います。
仕事の場でも、日本では結婚や出産を機に仕事を辞める人が今でも多く、いわゆるM字曲線の谷は深くなっています。出産・育児は大変なことですが、それを乗り越えることで精神面も大いに鍛えられますし、子育てが励みになって仕事で力を発揮できることも少なくないと思います。
雇用する側には、出産・育児で休みの多い女性には早くやめてもらいたいという考えもありますが、少子化に伴い女性の労働力を確保しようとする動きも進んでいます。雇用側としても社員を採用し、育成するために大きなコストをかけているわけですから、女性も働き続けてもらうことによって、企業の生産性も上げ、消費生活の担い手でもある女性の発想で企業の業績向上にもつなげようという考えが浸透しつつあるように思います。長時間労働になりがちな日本の労働環境の中で、子育て中の女性は、働く時間に限りがあることから、決まった勤務時間内に効率的に働こうという意識が強いということも大いに生かしていくべきだと思います。仕事も家庭生活も、自分らしい生き方も大切にするワーク・ライフ・バランスの考え方がしっかりと企業に定着していけば、結婚・出産後も働き続け、キャリアを高めていく女性ももっと増え、世界経済フォーラムでの男女格差105位という不名誉な数字も返上できるのではないでしょうか。
理事長 合田 加奈子
(略歴) 1972年中央大学法学部卒業 同年から2009年まで横浜市役所勤務
横浜シティ・エア・ターミナル株式会社を経て2010年7月から現職