政府は11日、企業が自由に派遣労働者を活用できる「期間」や「職種」を広げる労働者派遣法の改正案を閣議決定した。今国会で成立させ、2015年4月からの施行を目指す。

 改正案では、企業が3年ごとに働き手を交代させれば、どんな仕事も、ずっと派遣に任せられるようにする。いまは秘書や通訳など「専門26業務」でない限り、3年までしか任せられなかった規制を緩める。

 一方、人材派遣会社はすべて国の許可制にする。派遣労働者への教育訓練を義務づけ、待遇改善に向けた国の指導も強める。

 改正案をめぐっては、「派遣の固定化につながる」「正社員雇用の枠が狭まる」といった懸念が、労働組合や野党から出ている。田村憲久・厚生労働相は閣議後の会見で「人材派遣会社にも責任を持ってもらい、労働者のキャリアアップをはかってもらう」と改正の意義を強調した。(山本知弘)