【東田剛】“アベコベ”ノミクス

FROM 東田剛

先週、平蔵五輪音頭を予言しておいたら、さっそく、これだから・・・。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130913-OYT1T00230.htm

新自由主義者って、何でこんなに発想が貧弱なんですかね。
震災でも規制緩和、五輪誘致でも規制緩和・・・。
まったく、いい加減にしてくれよ。

なんだか、消費税も予定通り、来年四月から増税しそうな感じですね。
勘弁してもらいたいです。

デフレの上に、エネルギー価格が上昇する中で、消費税増税だなんて、頭おかしい。

しかも、アメリカでは、バーナンキ議長の量的緩和が失敗のまま、縮小されそうな雰囲気だっつうのに(9月16日時点)。
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTJE98802820130909

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE97603J20130807

そんなことになったら新興国が不況になり、インドなどは通貨危機になる可能性すらある。
そこで消費税増税なんて、1998年の悪夢(消費税増税とアジア通貨危機)の再現ですわ。

http://jp.reuters.com/article/jp_fed/idJPTYE98B04T20130912

さらに消費税増税にあわせて、法人税減税をやったら、もう最悪。

消費税増税、法人税減税に加え、労働、医療、農業の規制緩和、電力市場の自由化、そしてTPPによるグローバル化ときたら、新自由主義のワシントン・コンセンサスが、フルセットです。

このままだと、安倍政権は、日本史上、最も新自由主義的な政権になります。

<参考:こっちなら、よかったのに・・・。>

http://amzn.to/14chhc9

————————————————————

●月刊三橋最新号のテーマは「尖閣沸騰~日本の国防問題の本質とは」。

三橋貴明の無料お試し音声を公開中。
http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE_SENKAKU/index_mag_sl.php

・対日強硬姿勢で中国が陥ったジレンマとは?
・なぜ、日本は優位なカードを手に入れたのか?
・武力衝突の可能性は?
・自衛隊は人民解放軍に勝てるのか?ー他

————————————————————

もっとも消費税増税に関しては、安倍総理も、かなり悩んでいるようですね。

そりゃ、そうでしょう。

<参考>
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34188?page=5

そう言えば、先週13日の「新世紀のビッグブラザーへ」は、財務省が補正予算とか言っている時点で、議論で負けているという話でした。

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11612680663.html

まったく、その通りですが、でも、財務省は、議論して考えを変える気なんか、ハナからないですから。

TPPについての安倍総理と同じです。

それに、安倍政権内の消費税反対派の議論も、実は、論理がかなり弱かったのです。

例えば、浜田宏一参与や本田悦郎参与は、増税が景気を腰折れさせると懸念していました。

でも、浜田参与たちの御説って、デフレは貨幣現象だから、金融政策でデフレ脱却できるという話なんでしょ?

特に浜田参与は、大型の財政出動には否定的で、補正予算すら消極的でした。また、財政赤字も懸念しています。

じゃあ、なんで、消費税増税を懸念しているのでしょうか?
だってデフレって、貨幣現象なんでしょ?
仮に増税のデフレ効果が心配なら、インフレ目標を4%に引き上げるとか、もっと量的緩和するとか、金融政策で対処すりゃいい。
そういう議論じゃないと筋が通らないんじゃないでしょうか?

そう思って調べたら、やっぱり、浜田参与は、消費税増税の場合には、追加の金融緩和が必要だと言っているようです。

http://mainichi.jp/select/news/20130904k0000m020142000c.html

黒田日銀総裁も、追加緩和を示唆して、予定通りの消費税増税に賛成しています。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0H126F20130905

というわけで、金融政策でデフレ脱却できるという議論に寄りかかっている限りは、消費税増税反対は、強い説得力を持ち得ません。

増税に反対するなら、デフレ脱却には財政政策こそが重要だという論陣を張り、日本の財政赤字は心配ないという「ケインズ主義」的な論理をがっちり固めておかねばならなかったのです。

しかし、安倍政権は、今年の6月に「プライマリーバランスを2020 年度までに黒字化」という財政目標を閣議決定しちゃってますので、「ケインズ主義」的な論理は、この時点で脱落しています。
(東京五輪までに黒字化ってんだから、先週の記事に書いたとおり、五輪のために財政出動を増やすことも期待できないですね)

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/06/20/20130614-05.pdf

せめて財政目標をプライマリーバランスではなく、「対GDP比政府債務残高を安定させる」としておけばよかったものを・・・。

というわけで、残念ながら、安倍総理、6月の時点で勝敗は決していたのですよ。

総理が本気でデフレ下での消費税増税を避けたかったのならば、ブレーンをケインズ主義者にし、きちっと理論武装しておくべきでした。

考え方がアベコベノミクスで、言ってることが施平蔵だから、こういうことになってしまうのです。
財務省のせいだけではありません。

ちなみに、総理の信認厚い竹中平蔵先生は、消費税増税後は緊縮財政をやれと言っています。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130718/358478/?ST=business&P=1&rt=nocnt

チーン・・・。

PS
もしあなたが「だまされないための情報リテラシー」を身につけたいなら、
こちらが参考になります。今月のお試し無料音声は「尖閣“侵略”問題」です。
http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE_SENKAKU/index_mag_sl.php

PPS
今日の記事を読んで、きちっとした理論武装の重要性を痛感した方は、こちらへ。

http://chokumaga.com/magazine/?mid=110

あ、間違えた。こっちです。

http://chokumaga.com/magazine/?mid=124

PPPS

「なぜ、日本人は、こうも破局へ向かいたがるんだろう」と思った方が、この本がお薦めです。
http://amzn.to/151Cl2s

PPPPS
東田剛が潜り込んでいるかも。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=209053&userflg=0