サポーターが理解不能な問題を起こすインサイト マリーシア感情的サポ論


浦和レッズサポーターが「JAPANESE ONLY(日本人のみ入場可)」という民族差別(人種差別)のメッセージ幕をスタジアムへ掲出した。残念なことに、浦和レッズサポーターの中には、過去から繰り返し、民族差別のメッセージをスタジアム内で発信し続けている者がいる。多くは、これまで顕在化してこなかったが、一度だけ罰金の対象となった事件がある。

2010年に仙台で起きた、ベガルタ仙台所属選手に対する差別的発言事件である。このとき、サッカーファンの間では「500万円の罰金処分では軽すぎる。再発防止は出来ないのではないか」という話題となった。過去に浦和レッズサポーターが繰り返し行ってきた数々の事件を知るからである。そして、昨年、2013年には民族差別ではないが、浦和レッズサポーターが選手バスを襲撃するという事件を起こしている。その事件においても浦和レッズへの処分は罰金にとどまっている。

さて、今回の事件は今期に浦和レッズへ移籍してきた李忠成と在日朝鮮・韓国人に対する民族差別事件である。事件を起こした当事者は「差別的な意図はない」と、差別意識の存在を否定し、浦和レッズはオフィシャルサイトで事件が唐突に発生したかのような公式発表しているが、実は浦和レッズは今回の事件発生の予兆を把握していた。それは、浦和レッズマガジン3月号を読めば明白である。浦和レッズは事実を隠している。

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浦和レッズが事件発生の予兆を把握していながら、これまで、危険回避努力を怠ってきたことは大きな問題だ。更に、サポーターと相談の上で幕の撤去をせずに試合後まで放置したことの責任は重大。浦和レッズは、自らの責任を放棄している。

さて、今回の事件では幕の撤去を要求した浦和レッズサポーターに対して運営スタッフは、このように言った。

ここにいる人たちは“純粋にクラブを応援している人たち”だ。ただその熱意が時々間違った方向に向かってしまうだけ。

私の周辺の議論でもこのような意見がある。

「自分のクラブを追い込んではヤブヘビにならないか?」(媒体社に勤務するサッカー関係者)

多くのサッカー関係者は、サポーターはサッカーが好きで愛するクラブのために全身全霊で犠牲を払いながら応援する存在と信じている。はたしてそうだろうか。答えはNOであると言わざるを得ない。応援するクラブよりも自分が大好き「自己実現のためにサッカーの応援をしている」本末転倒の「サポーター」がサポーターの一部に含まれているのである。

たとえば、スタジアムでは、このようなことがある。

 

●南側スタンドから威嚇

猛烈な罵声の主をビジタースタンドからフェンス越しに見ると、気が弱そうな青年だったりする。「浦和レッズサポーター」という後ろ盾で、一人ではできない冒険を彼は実現している。

●サポーターの移籍

応援していたクラブのスタンドの居心地が悪いため別のクラブの応援に切り替える。その多くは、サポーターの数が少なく自分の地位を高く保てる可能性の高いクラブのサポーターへの移籍だ(例外的に地元に新しいクラブが誕生したので地元のクラブを応援するようになる場合がある)。

●不要なトラメガの使用

サポーターの人数が3名であってもトラメガ(拡声器)を使用する。トラメガをなぜ使用するのか?それはトラメガがコアサポーターの権威の象徴だからだ。

●異性目的

「サポーターをやっているのは女にモテるために決まっているじゃないですか!」という者もいた。その者は結婚が決まるとスタジアムを去っていった。

自分と考えの合わないサポーターを試合中にスタンド外に呼び出して恫喝

行なわれている試合よりもサポーター間の抗争を優先する。試合を見ることも応援をすることもせずに自分の力を誇示する極端な例。

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上記は全て、筆者が実際に目撃してきた「サポーター」だ。このような人物ほど自己実現欲求が強いため、「なぜクラブの不利益になる行為を行うのだろう?」と、通常では考えられない行動をとる場合がある。応援するクラブの勝利や発展よりも自己実現を優先するのだ。このインサイトを理解しないと対処方法や問題行動の防止策を見誤ることになる。

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