ウクライナ金融支援、IMF調査団の情報収集踏まえ対応=財務相
[東京 7日 ロイター] -麻生太郎財務相は7日、閣議後の会見で、ウクライナへの金融支援について、国際通貨基金(IMF)調査団の情報収集結果などを踏まえて対応する考えを示した。
緊迫化するウクライナ情勢について麻生財務相は「地政学的には黒海艦隊がいることから考えて、ロシアとしては簡単に手放す話にはならない」と述べ、事態収拾まで長期化するとの見通しを示唆した。さらに、ウクライナが最大の穀倉地帯であることなどを挙げ、「クリミアだけ独立する運動が合法的かどうかという話もある」などとも指摘した。
その上で金融支援について、地理的に遠い日本では情報の絶対量が少ないとし、「IMFがおとといから調査を開始した。IMFなどの話を聞いた上で、その上でだ」と語った。
<所得課税見直し「成長戦略と逆行する側面も」、配偶者控除廃止には両論>
一部で報じられた所得課税の見直しに関しては、「成長戦略と逆行する側面もあることも含め、検討する」と述べ、慎重な見方を示した。
報道では、子育て支援などに着目し、所得税の課税単位を世帯単位に見直すなどと報じられている。具体策として、少子化対策の成功事例とみられるフランスの手法などを参考にしているとされるが、麻生財務相は「所得税の課税単位をたとえばフランスのようにN分N乗方式といった所帯単位に見直すことについては、専業主婦は共稼ぎ世帯より有利な仕組みになる。安倍政権の定めた成長戦略が目指す、女性の活躍推進に逆行することになるのではないか」と述べ、「強い問題意識は持っているが、成長戦略の要請や所得控除をめぐる議論など、問題は多岐にわたる」とした。
また、配偶者控除廃止についても「就労に対して中立的な税制を構築すべきで、廃止を含めた見直しを積極的にやれとの意見がある一方、見直しには極めて慎重な意見もある。簡単に言える話ではない」と述べ、慎重な見方を示した。
(吉川裕子)
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