──
この件は、小保方さんでなく、若山さんが担当している。だから、若山さんに聞けばいい。
(1) 基本
基本は、次のことだ。(前項の再掲)
キメラマウスを作るには、マウスの胚に候補の細胞を注入して育てる。ES細胞などでは、細胞の塊を酵素処理し、ばらばらにして使うのが普通だが、その手法では STAP細胞はさっぱり胎児にならない。失敗続きだった。
共同研究を始めて1年半たったころ、手法を変えた。細胞の大きな塊を単細胞にばらさず、20〜30個程度の小さな塊にして注入する方法だ。刃渡り1ミリの極小メスを顕微鏡で見ながら操作して切り分ける。細胞工学初期の60年代の技術だが、切り分けるのも注入も難しい。僕はその技を身につけていたからできた。
すると、いきなり成功。体に取り込まれた STAP細胞が緑色に光るマウスの胎児を見ても、すぐには信じられなかった。
( → 朝日新聞 2014年2月6日 )
(2) 手順
具体的な手順は、下記で公開されている。ぜひ読んでほしい。(写真もたくさんある。)
→ 山梨大学のページ
これでキメラマウスを作れるはずだ。
( ※ 感想をひとつ。……20マイクロメートルのガラス管で STAP細胞を吸い込んでいるが、「ここに吸い込む過程で、STAP細胞に圧力がかかって、多能性を獲得した(初期化した)」というストーリーも考えられなくはない。ま、仮説の一つとして、示しておこう。)
[ 付記1 ]
上記の画像を見ても、捏造論者は、「どうせ捏造画像だろ」と主張するのだろう。
若山さんが自分で実験して撮影した画像を、小保方さんがどうやって捏造したのか、私は知りませんけどね。
どこでもドアや、ドラえもんのツールでも使ったのかな? 「念力(ねんりき)カメラ」とか? (^^);
[ 付記2 ]
実は、一つ気がかりな点がある。
画像を見ると、STAP細胞は、球形ではなくて、歪んだ形をしている。ここがちょっと気になる。なぜ歪んでいるのだろう?
これが血球(リンパ球)由来の STAP細胞であるなら、問題はない。
一方、血球(リンパ球)由来の STAP細胞でなくて、普通の体細胞から取った STAP細胞であるならば、「実は Muse細胞であった」という可能性もある。
だから、次のことが大切だ。
「胚に注入した STAP細胞は、血球(リンパ球)由来の STAP細胞なのか、普通の体細胞から取った STAP細胞なのか?」
ここをはっきりさせる必要がある。論文を読むと、
「新生仔マウスのCD45+細胞から生成されたSTAP細胞を胚に注入した」( We next performed a blastocyst injection assay with STAP cells that were generated from CD45 + cells of neonatal mice constitutively expressing GFP.)
と書いてあるので、血球(リンパ球)由来の STAP細胞であることになる。とすれば、「実は Muse細胞であった」という可能性は否定されるだろう。
ただ、そうだとすると、何で球形ではなかったのか、という疑問も残るが。
[ 付記3 ]
異物汚染(コンタミ)の形で ES細胞がまぎれこんだ……という可能性はどうか? いくつかの点で否定される。
(1) 若山さんの証言
インタビューの和訳があるので、引用しよう。
Q STAP細胞がES細胞やiPS細胞の混入の結果である可能性はありますか? このようなことは起こりえますか? 起こりえるとしたらどのような状況でしょうか?
A(若山)
私はSTAPからSTAP-SCを複数回樹立しました。混入がその度に起こるなんてことは考えづらいです。さらに、私はSTAP-SCを129B6GFPマウスから樹立しました。その当時、我々はその系統のES細胞を持っていませんでした。
私がSTAP-SCの樹立に成功した時、大元のSTAP細胞はOct4-GFPをよく発現していました。この状況ではSTAP-SCの樹立は胚盤胞からES細胞を樹立するより簡単なんです。
さらに、包括的なmRNA発現データもSTAP-SCがES細胞でないことを示唆しています。
( → 和訳 )
(2) GFP 発現
※ この件は間違いだと指摘されたので、取り消します。
もし ES細胞だとしたら、ES細胞は GFP 発現をするような遺伝子を組み込んだ ES細胞であることになる。そんなものをわざわざつくるはずがない。わざわざ作っていたとしたら、意図的な捏造だ。
したがって、故意の捏造はありえたとしても、間違いの形の汚染はありえないことになる。
(3) 胎盤の発光
ES細胞ならば、胎盤が発光しないので、胎盤が発光する画像は根本的におかしい。
( ※ かといって化学物質による汚染もありえない。 → 前出 )
[ 付記4 ]
若山さん自身は捏造をしなくとも、小保方さんが若山さんに隠してこっそり ES細胞を使った、ということはあるだろうか? この場合は、故意の捏造となるが。
実は、この説は、「すり替え説」として、前にも検討した。まず無理だろう、というのが結論だ。理由は下記。
(1) ES細胞ならば、それまで1年半もずっと失敗するはずがない。
(2) 途中で STAP細胞から ES細胞にすり変えたのならば、若山さんが気がつかないはずがない。何十回も失敗した際に見慣れていたのだから、違うものになれば、すぐに気がつく。
「今まで失敗していたときの STAP細胞と比べて、今回の STAP細胞は形状も大きさも内部構造も全然違うけど、いったいどういうわけ? 今までの STAP細胞は、リンパ球由来のもので、そういう構造をしていたけど、今度の STAP細胞は、体細胞みたいな構造をしているよ。というか、ES細胞の外見をしているよ。とてもリンパ由来の細胞とは思えないんだけど。どういうわけ?」
たちまちバレる。このくらいの違いは、素人でもわかる違いだと思う。
→ STAP細胞の動画 ,リンパ球の画像
→ ES細胞の画像 ,マウスES細胞の画像
なお、胚に注入した STAP細胞がリンパ球(血球)由来だということは、[ 付記2 ] に記した通り。
それ、若山さんがキメラマウスの捏造を告白した、というのなら別だけど。そういう話じゃないですよね。
──
NHK のサイトを見たら、こう書いてある。
> 若山教授によりますと、STAP細胞が出来た重要な証拠の1つである特定の遺伝子の変化について、論文発表前、研究チーム内では「変化がある」と報告され、信じていましたが、先週、理化学研究所が発表した文書の中では、変化はなかったと変わっていたということです。
→ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140310/k10015868081000.html
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これは TCR 再構成のことだろう。
この件は、批判者の勘違いだ、と私はすでに指摘した。
→ http://openblog.meblog.biz/article/21474166.html
若山さんがこれを読んでいれば、捏造説のデタラメに気づいたはずなのに、読んでいないから、捏造説のデタラメを信じてしまったわけだ。
捏造説の人々は、デタラメを垂れ流して、若山さんを混乱させた。自分で間違いを言っていると知っているくせに訂正しないから、間違いによる影響が広がる。
捏造説の人々は、自分自身が捏造ふうのデタラメを振りまいている(間違いを知っても訂正しない)、と告白するべきだろう。
それとも、TCR 再構成の話は間違いだった、といまだに気がつかないのか? それほど愚かなのか?
小保方さんの捏造よりも、捏造説の人々の集団的な捏造の方が、よほど悪質だよね。
仮に「取り下げ」になったとしたら、「捏造論者による『STAP細胞は捏造だ』という捏造が奏功した」「虚偽が真実に勝利した」ということになる。ものすごい捏造事件だ。
若山教授の実験そのもの(キメラマウスを作ったこと)は、今でも本当と思っていますが、検証が甘かったので、ものすごい責任が降りかかってきた。世間は、A級戦犯として扱うでしょう。
若山教授は、細胞を1ミリメートルのナイフで細胞を切り取る誰にも負けない技術をもっているので、世界初のキメラマウスが出来た、しかし今回は、細胞を一つ切り取ったものからは、キメラマウスが出来ず、複数の細胞の固まりを使用すると旨く行ったと言っていましたので、小保方さんが渡した細胞には複数の細胞が混じっていたことは確実です。
この点、怪しいと言うことに気がつかなかったことは、やはり何かまぬけなところがありますね。
理論的武装が出来ない、ナイフ使いの日本の名工と言ったところでしょうか。
しかし、理研が真相を明かさない中、逆らって告白したのは、立派。
私は決して逃げないとノップラー教授のインタビューで言っていましたが、その通り実行しました。
それにしても小保方嬢(博士論号剥奪間違いなし)は、世界初のクローンマウスを作成した世界的権威と言われ、世界の研究仲間(ノップラー教授も)からも信頼されていた若山教授を道連れにしたのは許せない。
もう一つの心配は、この件で世界中の研究者が追試実験しているので、そのリソースの損失が多分何十億円以上と思うので、今の時勢柄韓国の研究者から実験に要した費用の損害賠償を請求されないかと心配です。
プロトコルを追加提出し、第三者が証明してくれることを期待しているだったので、おまえら勝手にやったのだろうとは言えない。
最後に、キメラマウスは、出来ているので、奇跡的に ppm 以下の確率で、細胞の初期化が出来ている可能性もありますが、これは、実験過程の様々なデーターを検証していけば最終結論になりますが、理研が証拠を保存しているか疑問。(証拠隠滅を図り、知らぬ存ぜぬも予想される)
それでは、今回の投稿を持って、終了とします。
STAP細胞の議論有り難うございました。
何か勘違いしているようですが、若山さんは「STAP細胞は存在していない」とは言っていませんよ。
若山さんが取り下げを主張したのは、捏造説の人々による捏造説に騙されたからです。虚偽を信じたせいです。
なお、この件は、次項に書いてください。
(2)のところですが、GFPを発現するES細胞がなければ、(3)のES細胞由来の、胎仔でGFPが発現して胎盤で発現しないというキメラマウスを作製できませんよ。
ご指摘ありがとうございました。該当箇所を取り消しました。
※ 大量の文書を書いている割りには、間違いの率が少ないなあ……と自惚れていたばかりだが、少しはひどいミスをしますね。やっぱり。
でもまあ、賢明な読者がすぐに指摘してくれるので、助かります。
いくつか、ヒントを。
1
>>画像を見ると、STAP細胞は、球形ではなくて、歪んだ形をしている。ここがちょっと気になる。
よく、気が付きましたね。
STAP細胞(あるとすれば)は、多分化能をもっているので、ほかの幹細胞と同様に細胞塊を形成します。そうでなかったら、 血球の中から何の指標もなしに(Oct4の発現は見ていませんから)、若山先生にSTAP細胞わたせないでしょう?また、いくら若山先生でも、リンパ球だけ渡して、STAPですと言ったって、インジェクションはしませんよ。
2
CD45抗体でソートしたから、血球系の細胞だと思っておられるようですが、 そのFACSのデータそのものが怪しい訳です。子供が精密天秤を使ったって、正確に質量は測れないのと同じですね。
なので、血球以外の細胞が含まれている可能性はかなり大きいです。
3
実験に使っているマウスの系統 129SVがどういうマウスか勉強してみるのもよいかもしれませんね。
さらに、楽しい解釈を創造されることを期待しております。
もう、錯乱状態ですね。若山さんが、捏造説を信じたのであれば、大馬鹿者になりますよ、自分で検証し、信用していれば、告白することは無いじゃないですか。
自分で作った画像ではない、3年前の博士論文の画像が使われているので、観念したわけです。
博士論文は、中日新聞が取り寄せ、Nature論文の画像と比較していますから(私中日新聞取っています)キモとなる部分の検証がなされていないことになります。実験したマウスの細胞では無いのですよ。
>若山さんは「STAP細胞は存在していない」とは言っていませんよ。
往生際が悪いな、それだったら、降参するはずがない。
私は、上の投稿で、次の部分で奇跡があるかも知れないと言っている。良く読んでよ。
>最後に、キメラマウスは、出来ているので、奇跡的に ppm 以下の確率で、細胞の初期化が出来ている可能性もありますが、これは、実験過程の様々なデーターを検証していけば最終結論になりますが、理研が証拠を保存しているか疑問。(証拠隠滅を図り、知らぬ存ぜぬも予想される)
項目違いです。次項または次々項に書いてください。
もう一寸、つじつまの合う議論をして下さい。
折角最後の挨拶をしているのに、失礼なレスポンスだ。
案の定、私の投稿は電光石火で削除されましたね。